コーヒーはDNAを壊すことができる?

コーヒーは世界で2番目によく飲まれている飲み物です。その消費量は、2015年には86憶キロ相当であったといわれています。

そして、コーヒーが健康に与える影響については、科学者が何年も研究を重ねてきた結果、メリットやデメリットを含めて様々なことが分かってきました。

それらには、心臓血管疾患や高血圧、アルツハイマー、パーキンソン病、2型糖尿病、癌、睡眠障害などの病気のリスクを下げ、聴覚機能の向上につながるといったよい報告がある一方で、なかには人のDNAを損傷するリスクも指摘されています。

本当のところ、コーヒーは体によいのでしょうか、それとも悪いのでしょうか?

ここでは、遺伝子学的に、コーヒーが私たちのDNAにどのような影響を及ぼすのかについて紹介します。

カフェインはDNAを壊す

1960年代から1972年にかけての細胞に関する生物物理学の記録によると、カフェインは、DNAが新しく形成される時に損傷させたうえ、それを修復させずに染色体の中でそのままにしておく働きがあるので、特に妊娠中は飲まない方がよいといわれていました。

しかし、2016年3月の分子栄養と食品の研究によって、コーヒーには、DNAの損傷を何時間も抑制する効果があることも判明しました。

混乱してしまうかもしれませんが、コーヒーはDNAに接触するタイミングによっては、壊すこともでき、逆に損傷を抑制することもできるというのです。

コーヒーを飲んではいけないの?

結論からいうと、DNAは、コーヒーに限らず、正常な細胞機能のもとでも、損傷を受けているのであまり深刻に考える必要はないようです。実際に、DNAが、紫外線や放射線、特定の化学物質、活性酸素やストレスなどによって日々損傷を受けていることは否定できない事実です。

また、ヨーロッパの栄養科学の研究によると、深いりコーヒーを飲んだことによるDNAのらせん構造の損傷はあまり大きな問題ではないようです。

カフェインは遺伝子を活性化する効果がある

2012年の細胞代謝の研究では、運動は、DNAのメチル化を減少させて、代謝疾患などから体を守るといわれていますが、カフェインはこのメチル化をまねる性質があり、人が運動するのと同様に遺伝子を活性化させる影響があることが分かりました。

コーヒー好きは遺伝する?

コーヒーをこよなく愛するイタリア人やオランダ人は、遺伝によってそれが受け継がれているという研究もあります。

また、電子科学誌「Scientific Reports」によると、PDSS2と呼ばれる突然変異遺伝子をもつ人は、カフェインがゆっくりと分解されて体内に長時間とどまりやすいため、コーヒーが飲みたいという欲求が起こりにくく、一日の摂取量が一般的な人に比べて少ない傾向があることも分かりました。

さらに、二卵性よりも一卵性双生児の方が、喫煙やコーヒー、アルコールの飲酒習慣に強い相関関係があることから、カフェインへの欲求は、遺伝子レベルで組み込まれている可能性が高いと考えられています。

科学雑誌「biochimie」の生物化学の分野では、慢性的に過食傾向の高いネズミは、それを遺伝子として残し、子孫は高いインスリン耐性を持つために糖尿病になりやすいことが分かっています。現在、これがコーヒーにもいえるのかについての研究も進んでいます。