光害が思っている以上に危険な理由

2016年11月 2日

自分が街の過剰なネオンや照明などの人工光による深刻な被害(光害)を受けているのを自覚している人は少ないようですが、現実には、世界の83パーセントの人が光害にさらされています。

夜中に光にさらされ続けることは、思っている以上に、私たち人間だけでなく、動植物や地球が何十億年かけて築いてきた生態系に悪い影響を与えています。

人間への光害の影響

ヒトは、明るい環境に身を置くことで、メラトニンと呼ばれる自然な眠りを誘う睡眠ホルモンの分泌が妨げられて、睡眠障害に陥りやすくなります。

メラトニンは、抗酸化作用があることでも知られており、分泌量が減るとガンのリスクを高め、老化を促進し、不妊症の要因にもなるといわれています。

自然の生態系への光害の影響

人工的な光の発明は、暗闇を少なくし、その結果、生命体を危険な状態にさらしています。以下にその一例を紹介します。

ウミガメ
ウミガメの赤ちゃんは、卵から生まれたら、捕食者に見つからないように夜のうちに海に戻らなければなりませんが、海辺のビルや道路などの街の灯りによって方向感覚を失い、さまよっているうちに食べられてしまいます。また、人工的な光に向かって、道路に出てくることもあります。
母ガメは、生まれた砂浜に戻って産卵しますが、砂浜が明るいと、新たな産卵場所を探さなくてはならなくなります。
動物性プランクトン
動物性プランクトンは、昼間は水底にいて、夜になると上昇して藻を食べますが、夜が明るすぎると上昇しなくなり、藻が水面付近に大量に発生する青粉(アオコ)現象を引き起こします。
サンゴ礁
サンゴ礁は、月の光を感知して産卵しますが、浜辺近くの海では、人工光に月の光が邪魔をされて、産卵期がずれてしまい、繁殖数が減ってきています。
夜に移動する鳥は、高層タワーの光に向けて突進して命を落としたり、光の周囲を疲れ果てるまでぐるぐる回り続ける様子も目撃されています。
両生類
サンショウウオのような両生類は、薄暗くなるのを待っているうちに、餌を探し始めるのが遅くなって、捕食量が減ってしまいます。
夜の暗闇で交尾をするヒキガエルは、人工光によって周囲がなかなか暗くならないので、オスがメスを呼ぶために鳴き始めることができなくなり、交尾の機会を逃してしまうこともあります。