なぜ手の除菌用ローションは使わない方がよいの?

2016年11月 4日

除菌用ローション(ハンドサニタイザー)は、水が無くても、手につけるだけで手軽に殺菌や消毒ができるので、外出時や育児、介護などで幅広く利用されています。

特にインフルエンザや食中毒が流行する時期には、手放せない人も多いのではないでしょうか。

しかし、近年の研究によって、除菌用ローションを使うことで、かえって耐性菌の繁殖や有毒な環境ホルモンの吸収率をあげる可能性があることが分かり、使わない方がよいという考えが広まっているのも事実です。

必要な菌までなくなり、耐性菌を繁殖させる

除菌用ローションは、有害な菌だけでなく、皮膚に本来ある人間にとって必要な常在菌(善玉菌)まで殺してしまうため、結果的に、有害な菌に対する体の抵抗力を弱めてしまうことが危惧されています。

また、除菌用ローションを常用していると、原料として使われるトリクロサンと呼ばれる抗菌成分の働きによって、抗生物質が効かない強い菌(耐性菌)を繁殖させる恐れがあります。

健康に有害なBPAの吸収率を上げる

科学雑誌「PLOS ONE(プロス ワン)」によると、除菌用ローションをつけることで、BPA(ビスフェノールA)と呼ばれる有害な物質(環境ホルモン)の皮膚への吸収率を上げる危険性があることが判明しました。

BPAは、主にプラスティック製品の原料となっており、食品保存容器やファーストフードなどの持ち帰り用プラスチックケース、缶詰や飲料缶内面のエポキシ樹脂、お店のレシート(感熱紙)などに用いられています。

除菌用ローションで手を消毒したあとに、これらのBPAが含まれているものをさわると、皮膚からBPAが吸収される速度や量が急増します。

また、消毒した後の手の皮膚には、BPAが残存しやすくなっており、その手で食事をとることで、結果的に、手と口からのダブルでBPAを体内に取り込むことにもなります。

BPA(ビスフェノールA)とは

BPAとは、人間の体内で、あたかもホルモンであるかのように作用して、本来のホルモンの分泌作用を阻害し、狂わしてしまう有害物質です。

体内に取り込まれたは後、代謝によって排出されるまでに、長い時間を要し、ホルモン障害や心臓疾患、癌、不妊症、糖尿病などのリスクを高めるといわれます。

特に免疫力の弱い妊婦や胎児、乳幼児、高齢者は、悪影響を受ける可能性が高く、以前よりも低い濃度でも、健康へリスクがあるのではないかと再検討されています。フランスでは、2015年から使用を全面禁止しています。