ストレスを感じると私たちの体はどうなるの?

テストの追い込みや山積みになった仕事など、ストレスは、時間に追われたり、ものごとがなかなか自分の思い通りにすすまないときなどによく感じるものです。

実は、ストレスは、トラブルに対して人間にもともと備わっている身体的な生体反応だといわれています。そのため、短い期間であれば、体に有益な効果をもたらしますが、あまりに頻繁に、または、長く続くと、闘争・逃走反応が働き、脳や臓器、体じゅうの細胞にまでダメージを与えていきます。

ここでは、ストレスがどのように体に影響を与えていくのかについて、効果的な対処法とあわせて科学的に紹介します。

ストレス反応による体への影響

人は、長期間にわたって過度のストレスを感じた時に、副腎から「コルチゾール」や「アドレナリン」と呼ばれるホルモンを分泌して、自身に戦うか逃げるかを差し迫って危機に対応しようとします。

これは、身体に脅威と感じたものに対して、人間や動物に本能的に備わった「闘争・逃走反応」と呼ばれるものです。戦ったり逃げたりしやすいように身体の状態や生理的機能を変化させていくため、あまりに頻繁に、長期にわたってこのストレス反応が起こった場合、体に様々な影響を与えていきます。

血液循環への影響

血液中に分泌されたアドレナリンは、心臓に届いて、心拍数や血圧を上げるため、長期間この状態が続くと高血圧症を引き起こしてしまいます。

また、コルチゾールが、ストレスによって慢性的に過剰に分泌されると、血管内皮にコレステロールなどの沈着物質がたまり、血液循環に悪影響を及ぼします。これが、動脈硬化の引き金になります。

これらのコルチゾールやアドレナリンによる体の変化は、心臓発作や脳卒中のリスクを高めることが分かっています。

胃腸への影響

脳は、ストレスを感じると、自律神経系を活発化します。それが大脳から腸の神経系に伝わると、胃腸の不快感や過敏性腸症候群(下痢や便秘などの症状)などを引き起こします。また、食道や胃が酸に対して過敏になり、胸やけを感じやすくなります。

このようにしてストレスは、腸内バクテリアの配置や機能まで変化させ、消化システムに不具合を起こすだけでなく、体全体の健康を脅かしていきます。

慢性的なストレスによって太るのは本当

ストレスによって過剰に分泌されたコルチゾールは、体のエネルギー貯蔵庫を、高カロリーな食事や炭水化物などによって、満タンにするように伝達するため、それによって甘い物が欲しくなる傾向があります。

また、高濃度のコルチゾールは、余分なカロリーを内蔵脂肪として蓄えていきます。

この脂肪は、ズボンをきつくするだけでなく、サイトカインと呼ばれる免疫システムから分泌されるホルモンの分泌を活発化して、心疾患やインスリン耐性といった慢性疾患のリスクを高めます。

ストレスの影響と対処法について

もし、あなたが長生きしたいのなら、慢性的なストレスを避ける必要があります。

なぜなら、ストレスは、細胞の老化の原因となるテロメア(染色体の末端にある部位)の短縮化を引き起こすといわれています。

それだけにとどまらず、慢性ストレスは、にきびや抜け毛、性機能障害、頭痛、筋肉のこり、集中力の欠如、疲れ、イライラや怒りっぽさなど、健康へ様々な悪影響を及ぼすことが分かっています。

また、ストレスホルモンは、様々な形で免疫細胞にも影響を与えます。初期段階では、外敵への反応や傷の治癒を助けますが、慢性的なストレスは、免疫細胞の機能を損なわせて、病原体に感染しやすくし、体の回復のスピードを遅くしていきます。

それでは、どのようにストレスに対処していけばよいのでしょうか?

人生は、ストレスに満ちています。しかし、私たちの体や脳に影響するのは、ここで述べているようにストレスに対する「反応」です。

もし、ストレスを感じている状況を自身が支配し、克服可能な挑戦だと思えれば、勝ち目のない恐怖であると思うよりも、短期的によりよい結果を出し、長期的にも健康でいられるでしょう。