人間は、核の冬から生き残ることはできるのか?

2016年11月24日

核兵器の本当の恐ろしさは、爆発の威力や放射性物質ではなく、その後に訪れる地球規模の壊滅的な環境破壊です。

1983年、宇宙物理学者のカール・セーガンを含む科学者たちは、「核の冬」に関する恐ろしく不吉な報告をまとめました。

核の冬とは、その名の通り、核戦争によって、私たちの住む地球に氷河期が訪れることです。

それでは、核の冬とは具体的にどのようなものなのでしょうか?果たして私たちは生き残ることができるのでしょうか?ここでは、100個の核爆弾が落ちた場合のシミュレーションをもとに、分かりやすく紹介します。

核の冬とは

核の冬とは、数百、または、何千もの核爆弾が落とされたことによる、地球規模の環境破壊です。

以下で、核の冬について、科学者たちが実際に行ったシミュレーションを紹介します。

もし、インドとパキスタンで核戦争が起こり、広島に落とされたものと同じ威力の核爆弾が100個落とされた場合

まず、核爆弾の爆発によって、大規模な火災が発生します。

火災によって、空気中に巻き上げられたすすや粉塵(ちりや埃、灰)からなる黒色炭素は、大気層まで上昇し、世界中に広がっていきます。

大気層は黒色炭素によって真っ黒になり、太陽光は吸収されてしまうため、太陽光が届かなくなった地球表面(海面から100メートル)の温度は下がり、冷たくなります。

海にも光は届かなくなり、プランクトンや海洋植物は光合成を行えずに枯れ、それをエサとする魚や海の生き物も飢えて死んでしまいます。

大気層は、太陽光を吸収していくうちにどんどん熱せられるため、オゾン層が破壊され、地上に住む人間や動物、植物、海の生き物は、紫外線によるダメージを受けます。オゾン層はその後、10年間は破壊され続けます。

また、核の冬の間は、雨がほとんど降らないので、農作物は育たなくなり、私たちは深刻な飢饉(食糧不足)になります。

私たちは生き残ることができるのか?

上記は、100個の核爆弾が落ちた場合です。

しかし、現在は、世界中に15000もの核爆弾が存在しています。

もし、核爆弾が落ちたのが100個以下であれば、食料不足や紫外線などの影響があったとしても生き残れる可能性はあるといわれています。

しかし、それ以上大きな核戦争が起こった場合は、地球規模での生態系の壊滅的な破壊や気候の急激な変動によって、生き残れる可能性はほとんど残されなくなります。

核の冬に関してまとめられた報告書は、参加した科学者の頭文字を取り、TTAPS報告(Richard P. Turco, Owen B. Toon, Thomas P. Ackerman, James B. Pollack, and Carl Sagan)と呼ばれ、アニメの機動戦士ガンダム(逆襲のシェア)を始め、たくさんの小説や映画でも取り扱われています。

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