驚異的に進化しつづけている核兵器の威力

2017年3月27日

1945年8月6日、世界で初めて原子爆弾が投下された広島では135,000人の死者が、そして、その3日後に投下された長崎では、75,000人というあまりにも多くの犠牲者がでました。

にもかかわらず、核兵器は、第二次世界大戦以降も、わたしたちの知らないところで、どんどん強力に進化し続けています。

ここでは、現在の核兵器の破壊力がどれほど強力で、恐ろしいものになっているのかをアニメーションで分かりやすくデモンストレーションした動画を紹介します。

実際に、核兵器の開発競争が著しかった冷戦期には、広島型原子爆弾の3000倍以上もの破壊力をもつ水爆実験も行われています。

広島と長崎の原子爆弾の破壊力

広島に落とされた原子爆弾には15キロトン、長崎の場合は22キロトンの破壊力がありました。核兵器の爆発力を示す単位として使われるTNT(と呼ばれる)爆弾で考えると、1キロトンは、TNT爆薬1000トン分の破壊力になります。

これは爆発による破壊力の測定値に過ぎず、その後の放射能による被害は含まれていません。

広島の原子爆弾がもしニューヨークに投下されたら?

広島と同じ15キロトンの原子爆弾がニューヨークのタイムズスクエアに落とされた場合をシミュレーションすると、半径約1.6キロ(1マイル)内の人はほぼ死滅し、コンクリートの建物は全壊してしまいます。

そして、約2.2キロ(1.38マイル)範囲にある住宅のほとんどは崩壊し、約4.5キロ範囲にいた人は、第三度熟傷(痛みを感じなくなるほど皮膚表面は壊死し、跡がケロイド状に残る)を起こすなど、極めて多く犠牲者が予想されます。

これらの核爆弾による被害を想定すると、死者309,460人、負傷者357,420人だといわれ、さらに、核爆発によって放射性粒子は109.4キロ(68マイル)圏内の地上に降り注ぎます。

進化する核爆弾の破壊力

現在、世界には、広島や長崎に投下された原子爆弾とは比にならないくらい強力な熱核兵器が存在しています。

アメリカが保有する核兵器「B83」

アメリカが、1970年代後半に製造し始めた核兵器「B83」は、1200キロトンという、広島の原子爆弾の約80倍に相当する破壊力があります。

これがもしニューヨークに投下された場合、爆発による被害だけで半径約11キロ以上に及び、死者1,634,140人、負傷者1,475,510人を出し、核爆発によって放射性粒子は400.6キロ(249マイル)圏内の地上に降り注ぎます。

アメリカで行われた過去最大の核爆弾実験

1954年に、ビキニ環礁(かんしょう)で行われた水爆実験「キャッスル作戦(ブラボー実験)」では、広島の原子爆弾の約1000個分の爆発力をもつ15,000キロトン(15メガトン)の爆弾が投下されました。

日本でも、この水爆実験に巻き込まれて被ばくした第五福龍丸はよく知られています。

もし、この15,000キロトンの核爆弾が、ニューヨークに投下された場合、爆発による被害だけで半径約33.9キロ(21マイル)以上に及び、死者4,038,260人、負傷者3,496,930人を出し、核爆発によって放射性粒子は902.6キロ(561マイル)圏内の地上に降り注ぎます。

しかし、過去には、これよりもさらに大きな核実験が行われています。

人類史上最大の核爆弾実験

アメリカとロシア間で核競争が行われた冷戦期間中、人類史上最大といわれる「ツァーリ・ボンバ」を使った水素爆弾実験がソビエト連邦によって、1961年の10月30日に実行されました。

ツァーリ・ボンバの爆発力は約5万キロトン。それはなんと広島の原子爆弾の3,300倍に相当し、爆発によってできたキノコ雲は、ギザの大ピラミッドよりも、世界一高い超高層ビル「ブルジュ・ハリファ(828m)」よりも、世界最高峰の山「エベレスト(8,848m)」よりもはるかに高い64,000m(209,974ft)に達しました。

もしこれがニューヨークに投下された場合、爆発による被害は半径34.7キロ以上に及び、死者6,425,250人、負傷者3,976,790人、そして、核爆発によって地上に降る放射性粒子は976.6キロ(607マイル)圏内まで達します。

注目すべきはこれが、50年前にはすでに作られていたことです。

現在、世界には14,900個の核爆弾が存在します。

もし、1963年に締結された「部分的核実験禁止条約」がなければ、地球上には、より多くの、そしてもっと強力な核爆弾が存在したかもしれません。

「包括的核実験禁止条約(ほうかつてきかくじっけんきんしじょうやく)とは、宇宙空間、大気圏内、水中、地下を含むあらゆる空間での核兵器の核実験による爆発、その他の核爆発を禁止する条約である(wikipedia参照)。」

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