健康飲料として注目される「スムージー」の意外な落とし穴

スムージーとは、野菜や果物をミキサーで混ぜて作られた飲み物で、手軽に飲める健康飲料として近年人気を集めています。

しかし、専門家は、果物を濃厚なペースト状に粉砕する工程によって、不溶性食物繊維によるメリットが失われてしまうため、ジュースよりはよいかもしれないが、それほどの健康への効果は期待できないと指摘しています。

簡単にいうと、スムージーやジュースを飲むよりも、果物をそのまま食べる方が健康への恩恵をたくさん受けられます。

ここでは、健康飲料として注目される「スムージー」の栄養面での意外な落とし穴について、カリフォルニア大学サンフランシスコ校の小児内分泌学の教授であるロバート・ルスティグ(Robert Lustig)氏によるアドバイスを分かりやすく紹介します。

食物繊維とは

食物繊維には「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2種類があります。

水溶性食物繊維とは、ゲル(ジェル状の物質)を保持する水に溶けやすい栄養素です。

一方で、不溶性食物繊維は、糸状の長い筋のある水に溶けにくい栄養素です。

野菜や果物は、この双方を持ちあわせています。

食物繊維の健康へのメリット

オレンジや梨、ブドウなどの果物をそのまま食べた場合、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方を体内に取り込むことができます。

体内に取り込まれた食物繊維は、まず、腸内で、白っぽいゲルのバリアを形成し、早い消化段階での食べ物の吸収を妨げます。それによって、食べ物は、腸の中をスムーズに移動し、腸内細菌がたくさんいるところまですばやく到達できます。

すると、腸内細菌は、わたしたちの代わりに食べ物をかみ砕いてくれます。

つまり、果物を食べるのは、腸内細菌にえさを与えているようなもので、結果的に、腸内細菌が増殖すると、肝臓の負担の軽減にもつながります。

スムージーのデメリット

食物繊維を摂取すると、腸内細菌が住みやすいような腸内環境に自然な形で整えることができます。

しかし、ブレンダーやジューサーを使って果物を細かく粉砕すると、長い糸状の不溶性繊維をせん断してしまうため、腸内でゲルのバリアを作れなくなり、上記のような恩恵を受けられなくなってしまいます。

一方で、水溶性繊維は摂取できるので、早い段階で満腹感を感じられるかもしれませんが、スムージーでは、結果的に、不溶性食物繊維によるメリットを損失してしまうことは避けられません。

こちらもどうぞ:
クレンズジュース(デトックス飲料)には効果がない理由