「私はコーヒー中毒」は、実は違う理由

人は、依存していると思わせるほど、反復的かつ日常的に行っている行動がよくあります。

コーヒーもそのひとつで、「わたしは、コーヒーを毎朝3杯飲むからカフェイン中毒(依存症)かもしれない」と考えている人は多いかもしれません。

しかし、実際にこのような人のほとんどは、カフェイン中毒ではないといわれています。

ここでは、カフェイン中毒だと思っていても実際には違うであろう理由について、薬物依存症国立センター(National Center on Addiction and Substance Abuse)のCEOである中毒専門医サミュエル・ボール(Dr.Samuel Ball)氏によるアドバイスを分かりやすく紹介します。

中毒とは何か?

中毒(依存)とは、脳の構造が変化してしまう脳疾患のひとつです。脳の機能が変化しているため、いくら反省しても、何を犠牲にしてでも、自分の意志ではどうにもコントロールできなくなってしまいます。

中毒は、主に4つの要素をもつといわれ、そのなかでも最も重大なのは、その物質の使用のせいで、悪い結果をもたらすと分かっているにも関わらず、やめられずに続けてしまうことです。

そして、その物質や行動にとらわれ、家族や友人、仕事、人生を失ってでも、夢中になって求め続けてしまいます。

実は、コーヒー中毒についての話をするとき、多くの人が上で記した重要な要素が欠けています。

薬物としてのコーヒー

コーヒー中毒は、コーヒーに含まれているある有効成分によって引き起こされる生理学的な依存です。この有効成分とは、誰もが知る「カフェイン」のことです。

カフェインは興奮誘発物(刺激物)のひとつで、たばこに含まれるニコチンと同クラスの薬物です。また、うつ病やADHD(注意欠陥多動性障害)などの治療に用いられる中枢神経興奮剤「アンフェタミン」やコカインも同カテゴリーに属します。

これらは、興奮誘発剤であり、かつ、生理学的に依存することができる化学物質です。

あなたは本当にコーヒー中毒かどうか?

生理学的に、コーヒー中毒になることはあり得ます。

確かに、コーヒーを飲むのをやめたときに、多かれ少なかれ離脱症状(頭痛や吐き気など)を引き起こすことはあります。しかし、これはまだ本当の意味で、中毒症状と呼ばれるほどではありません。

なぜなら、仕事や友情、家族を失ってまで、コーヒーを求めているか、また、それほど深刻な影響を及ぼしているのかといった中毒症とみなされる要素が抜けている可能性が高いからです。