飢えた白クマに驚かされたアザラシ/狩り

2017年4月14日

北極の氷が溶けだす夏、1匹の白クマ(ホッキョクグマ)が、氷の上をドリフトしながら、アザラシの背後からたくみに忍び寄る狩りの様子を紹介した動画です。

この季節の白クマの狩りは、20回のうちたった1回という低い成功率だといわれています。この白クマも例外ではなく、なかなか食べ物にありつけないようで痩せ細っています。

北極海の白クマにとっての夏

北極海では、捕食者にとって季節の変化は重要な問題です。季節の変化は、狩りの条件が変わることを意味し、それにあわせて捕獲する獲物の種類や戦略も変えていかなければなりません。

白クマをはじめ、オオカミや北極ギツネなど、北極圏の食物連鎖の頂点に立つ捕食者たちは、生き残るために環境の変化を受け入れ、最悪な状況にはじっと耐え忍び、よい条件は最大限活かしていかなければなりません。

白クマのアザラシ狩り

夏になり、北極海の氷は溶けて、どんどん白クマの足の踏み場を奪っていきます。狩りの失敗は、そのまま飢えを意味します。

あるやせ細った白クマのメスが、優れた嗅覚で、小さな流氷の上にいる1匹のアザラシの匂いを察知しました。

滑るように静かに海に入り、遠く離れた流氷まで前足をゆっくりと大きく動かして、音をたてずに泳いで近づいていきます。途中でアザラシの場所を何度か確認しながら、背後に回り込みます。

アザラシもなにかの気配を感じたのか、辺りを見回しますが、白クマの毛は光を透過して白く見えるので、白い氷にまぎれてほとんどわかりません。

とうとう、白クマは、アザラシのすぐ後ろまで到達しました。

静かに氷の上に顔をのぞかせ、様子をみながら、一気に氷に上がって襲いかかります。

アザラシの驚きようは、動画をみるとよく分かります。反射的に前足をうまく動かして、急いで海の中に飛び込みます。アザラシの前足には、鋭い爪が5本あり、氷をしっかりとつかむことができるので、そう簡単にはつかまりません。

すかさず白クマも後を追いかけて海の中にダイブ。水面にはしばらくの間波紋が広がります。

(いくら白クマが泳ぎが得意だといっても)アザラシの水中での機動力は優れたもので、狩りは困難だといわれていますが、驚いたことに、狩りは大成功。頭を噛まれてすでに動く様子のないアザラシを白クマは、氷上に引き上げます。

この獲物は小さく、おなかを満たすには十分ではないかもしれませんが、アザラシの肉には脂肪分が多いので、白クマの1週間分のカロリーを補う貴重なタンパク源となります。