理学療法士による「ストレッチに最適なタイミング」とは?

「ストレッチをするなら運動前」だとする見解が、専門家の間で議論を呼んでいます。

実際に、ストレッチが効果的であるという研究もあれば、本当は効果がないという研究、さらには、かえって悪影響を及ぼすと指摘する専門家もいます。

それらを裏付けるような決定的な研究データはありませんが、要は、ストレッチをいつ行い、どのように筋肉を伸ばすかによって得られる効果が違ってくることが争点になっているようです。

ここでは、運動するならいつ、どのようなストレッチをすべきかについて、理学療法士であり、特別外科病院の整形外科物理療法センターのマネージャであるErica Fritzさんによるアドバイスを分かりやすく紹介します。

運動前は動的なストレッチがよい

スポーツで、最大限の力を生産するためには、筋肉の緊張をほぐして活性化し、可動性を高めるための準備をしておく必要があります。

Erica Fritzさんは、スポーツ選手に対して、運動前は静的なストレッチではなく、ラジオ体操のように体を様々な方向にダイナミックに動かす動的ストレッチを勧めています。

実は、副交感神経が刺激される静的なストレッチでは、その後最大で1時間におよぶ力の生産性を減らし(筋肉や瞬発力の反応が悪くなる)、パフォーマンスを落としてしまう可能性があるので、運動前はあまり勧められません。

動的ストレッチの効果

運動前のウォームアップとして動的ストレッチを行うと、交感神経が優位になって体が覚醒するうえ、硬くなった筋肉がほぐれて、怪我の予防にもつながります。

また、筋肉が温まり、血行がよくなるので、運動のパフォーマンスが向上し、特にパワーやジャンプ力を上げる点で有益であるといわれています。

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運動後は静的なスタティックストレッチがよい

逆に、クールダウンに適した静的なスタティックストレッチを行うなら、運動の30分後が最も適した時間だといわれています。

Erica Fritzさんは、クライアントのアスリートたちに、運動後は、まずチームメイトとリラックスして体をクールダウンさせ、ロッカールームに戻ったときに、静的なスタティックストレッチをゆっくりとするのがベストなタイミングだとアドバイスしています。

引用:スタティックストレッチは、反動をつけて行うのではなく、呼吸をしながらゆっくりと動きを止めて筋を伸ばす柔軟(前屈や開脚など)です。ランニング後に最適なクールダウンのやり方

ストレッチの頻度

もし、あなたが一週間もの間、全くストレッチを行わなかったら、次にストレッチをするときに、筋肉があまりにも硬くなっていることに驚くでしょう。
 
そのため、少なくとも週に5日はストレッチをして、筋肉を柔軟に保つ必要があります。