ヨガとピラティスの違いとは?

ヨガもピラティスも、限られたスペースでできる点とマットを使う点では共通していますが、実際には、それぞれの運動のやり方や効果は、全く異なります。

ここでは、ヨガとピラティスの違いについて、それぞれの運動の特徴と効果、起源をもとに、ニューヨークのピラティス教室「Core pilates」のトレーナーによるアドバイスを分かりやすく紹介します。

ヨガとピラティスのどちらが自分に向いているかを選ぶときや健康維持のために運動をどのように取り入れていくべきかを考えるときにとても役立つ知識です。

ヨガとピラティスの特徴と運動効果

ヨガとピラティスは、兄弟のようなものです。兄のヨガと弟のピラティスは、「心身の健康」という同じ目的を共有する家族の一員ですが、それぞれにやり方は異なります。

まず、弟のピラティスは、脊柱の関節運動に焦点を当てています。体勢を変えながら、背中を反らせたり、丸めたり、持ち上げたりして、背骨の椎骨を上下に動かす(アーティキュレーション)に多くの時間を費やすので、ヨガよりも厚めのマットを使用します。

それに対して、兄のヨガが行うポーズ(アーサナ)は、主に立位姿勢から開始し、より直立した姿勢、より頭を高く上げた姿勢を中心にしています。

また、ヨガ独自の呼吸法(腹式呼吸)をもとに体を動かしながら副交感神経を活発化させて、血液の流れや肺機能を整えながら心身をリラックスさせるので、柔軟性が高まり、体の動きの安定性やなめらかさが生まれます。

そして、さらに、兄弟が力を合わせて一緒に働く(組み合わせる)と、全体的により一層バランスのよい健康的な肉体を手にすることができます。

双方を組み合わせることで、ヨガはピラティスに柔軟性や心身の安定といったメリットをもたらし、ピラティスはヨガにインナーマッスルや背骨付近などの体の深層にある筋肉を強くしなやかにするメリットをもたらすのです。

起源の違い

ヨガは、インドにずっと昔から伝わる精神的な要素が強いものです。

対してピラティスは、20世紀に、ジョセフ・ピラティスというドイツ人が戦争捕虜となったときに自らの生存をかけて開発した肉体改造的(身体づくり)な要素が強いものです。彼は、幼い頃から体がとても弱く、いつも強くなりたいと願っていました。

成長したジョセフは、戦争中に捕虜収容所での生活を余儀なくされます。収容所の環境は悪く、健康的な体を持ち合わせていなければ生き残ることは難しいものでした。

このとき、収容所の狭いスペースで、真の健康を手にいれるために考え出された身体調整法が「ピラティス」のもととなります。

彼は、その後も呼吸法やエクササイズを取り入れた独自のピラティス・メソッドを生み出し、それは運動選手の肉体強化やパフォーマンスの向上、健康維持に役立てられてきました。また、体幹を鍛えて体の機能を回復する効果が注目されて、入院患者のリハビリ治療などにも取り入れられるようになりました。

なかでも、ジョセフ・ピラティスが開発した機械や装置は、負荷の調節や深層部の筋肉への働きかけがしやすいことから、アスリートに限らず高齢者や怪我人などにも幅広く活用されています。

このように、ピラティスがマシンを取り入れるのは、ヨガとの大きな違いのひとつで、アスリートや海兵隊などに取り入れられている体幹トレーニング「コアアライン」をはじめ、ピラティスマシンを使ったエクササイズは、現在も開発が進んでいます。