「魚の皮」を使った新たなやけどの治療法のメリットとは

2017年6月 2日

動画でやけどを負った患者の足に巻かれてるのは、なんとテラピア(ティラピア)と呼ばれる魚の皮。

近年、ブラジルのセアラ連邦大学の科学者が、従来のやけどの治療におけるデメリットを覆す画期的な発見をしました。ブラジルでは、すでに、真皮まで達したやけどを負った患者で臨床試験が行われており、順調によい結果が現れています。

現在、医療現場で行われているやけどの治療では、使われている薬も高価なものが多く、どうしても痛みを伴ってしまいます。

特に重いやけどには、牛や豚を材料とした人工的な皮膚代替物が使われたり、自分のお尻やおなかといった他の皮膚組織の移植が行われたりするため、それだけ医療費も高くなり、皮膚の再生にも長い年月がかかります。

また、高度な医療技術が必要になれば、必然的に治療できる医療施設も制限されてしまいます。

ここでは、そんなネガティブな要因を軽減する可能性があると医療現場で注目されている「魚の皮を使ったやけどの治療法」について、テラピアの皮が適している理由とともに紹介します。

テラピアの皮がやけどの治療に適している理由

セアラ連邦大学の科学者は、テラピアと呼ばれる淡水魚の皮に、高いレベルのコラーゲンと水分が含まれていることに注目しました。それは、ほぼ人間の皮膚と同じレベルで、やけどを負った皮膚組織の治療には最適な状態だといわれています。

実際に、現代の医療現場で主に使用されているのは、牛や豚を材料としたバイオマテリアル(人工的な皮膚代替物)で、その主成分はコラーゲンです。

この魚の皮を使った新たな治療法では、皮膚が再生しやすい環境となるため、やけどの治癒を早められるだけでなく、痛みを和らげるので痛み止めの必要性を減らす効果もあります。

テラピアの皮を使うことで得られる効果

そうはいっても魚の皮と聞くと、衛生面で大丈夫なのか気になるところですが、殺菌消毒が施されているので、その心配はありません。

これなら、クリームを塗る必要もなく、処置も簡単で素早くできて、冷凍保存も可能なので、バイオマテリアルが入手しにくいブラジルの医療施設で希望の光を灯しています。

しかも、テラピアは、安いうえ、養殖もできてその数は有り余るほどだといわれています。ブラジルでは、クリームを塗る治療法と比較すると、75%も医療費にかかるコストが削減できます。

そのため、科学者たちは、さらなる臨床試験を重ねて、この治療法が世界的に広がることを期待しています。

これは間違いなく、新たな魚のクリエイティブな活用方法です。