足病医による「ビーチサンダルが足に悪い理由」

脱ぎ履きがしやすく手軽に履けるビーチサンダルは、足元が蒸れやすい夏のファッションには特に魅力的ですが、実のところ、足の健康を害する危険性があります。

それは、薄型で平らな形状と、細いストラップ(鼻緒)のみで足をサポートしなければならない構造上の問題が大きいようです。

ここでは、なぜビーチサンダルが足の健康に悪い影響を与えるのかについて、履き続けることによる長期的な影響や、サンダルの選び方のポイントなどをあわせて、Business Insiderをもとに、ニューヨークの足治療医学士(足病医)ジャクリーン・ステラさんによるアドバイスを紹介します。

ジャクリーン・ステラさんは、「ビーチサンダルを履く場合、プールサイドやビーチなど、ちょっとした使用にとどめておくべきで、決して毎日歩き回る目的で使用すべきではない」と警告しています。

ビーチサンダルの問題点

ビーチサンダルは、薄くて細いストラップ部分だけで足を固定しているので、脱げやすい履物といえます。

そのため、ビーチサンダルを履いて歩くと、無意識のうちに脱げないように、足の指や指の付け根に常に余計な力が入ってしまいます。

その多くが歩く時に、足の指を上げるようにしてストラップを動かないようにしたり、逆に指を丸めるようにして歩いたりして、指の付け根や足の筋肉に過度な負担がかかり、足の裏にうける体重の負荷バランスも悪くしています。

そして、さらに履き続けていると、足の痛みや炎症など、様々な問題を引き起こしていきます。

足底筋膜炎になりやすい

ビーチサンダルは、足底筋膜炎(そくていきんまくえん)を引き起こす恐れがあります。これは、足底に痛みがあるときの原因として、高い確率でみられる足の裏の炎症のひとつです。

足の裏には、ちょうど指の付け根くらいから、かかとにかけてつながっている足底筋膜と呼ばれる腱組織があり、それは足の裏のアーチに沿ってほぼ全体に張り、アーチにかかる地面からの衝撃や体重の負荷を下からクッションのように支えています。

しかし、足に過度な負担が繰り返しかかってしまうと、筋肉が疲労したり、足底筋膜が断裂してしまい、様々な痛みや炎症を引き起こしていきます。特にかかとの骨と足底筋膜のつながりの部分(土踏まずの後ろ側あたり)に強い痛みをもららすことがあります。

外反母趾を悪化させる

足裏のアーチやかかとの痛みの問題だけではなく、仮に外反母趾(親指が小指側に曲がる)や槌状足指症(足の指が曲がったまま固まってしまうもので、ハンマートゥとも呼ばれる)がある場合は、ビーチサンダルを履くことで、それらの症状を悪化させる可能性があります。

外反母趾とは、簡単にいうと親指の関節の変形です。親指が小指側に曲がり、指のつけ根にある第1中足骨に大きな隆起や赤みがみられます。

実は、外反母趾は、関節を変形さけるだけでなく、その他の問題を引き起こす引き金にもなります。

一般的に、外反母趾になると、靴が足の形状にあわないため、歩くときに靴に圧迫されたり、摩擦を受けたりして、炎症や腫れ、強い痛みを伴い、靴を履いて歩けなくなることさえあります。

さらに、槌状足指症やうおのめ、まめ、たこなどのさまざまな問題をもたらし始めます。ひどくなると、足の指の脱臼や巻き爪も引き起こします。

サンダルの選び方

ビーチサンダルを日常的に履き続けていると、体の土台となる足の裏が安定していないため、体全体の関節や骨格などにズレや歪みが生じ、足だけでなく、膝や腰などにも悪影響が及ぶことがあります。

そのため、選ぶときは、クッション性の高い厚めのソール(靴底)、ストラップに多少厚みがあって安定性の高いもの、そして、アーチの形状にフィットするようなアーチサポート力の高いものを探し、普段使いは避けて、長時間の使用は制限しましょう。