医師による「ハイヒールが足をダメにする理由」

ハイヒールを履いた場合、階段を上がるときや上り坂では、体重が前方に向けてかかります。

そうなると、意図しなくても、足の母指球(親指の下側にあるふくらみ部分)に全体重が集中し、それは、ヒールが高いほど、足への大きな負担となります。

同時に、ハイヒールを履くとどうしても膝や腰が前方に突き出るような体勢になるため、多くの人が、歩く時に、体のバランスをとろうとして背中を過度に伸ばしすぎてしまい、それが結果的に、脊柱全体のゆがみにつながっていきます。

そうはいっても、仕事やイベントなどで、ハイヒールを履かなければならない場面も多々あります。

そこで、ここでは、ハイヒールが足をだめにする理由にもとづいて、ハイヒールを履くときに注意すべきポイントを手足治療外科医のJacqueline Sutera博士がビジネスインサイダー(Business Insider)で解説したものを分かりやすく紹介します。

ハイヒールを履くと生じる足のトラブルや症状

ハイヒールを履いて歩くと、足の前方への衝撃が繰り返されるたびに、神経腫と呼ばれる神経のかたまりが圧迫されて、足の前方付近に痛みを生じるようになります。なかには、歩く時に体重が集中しやすい中足骨(足の各指の付け根から延長している5本の長い骨)が骨折することもあります。

さらに、膝痛や股関節痛、腰痛、腱炎などが引き起こされたり、足首が不安定な人は、足首を捻挫したりすることもよくあります。

足の先では、指の爪が肉に食い込む陥入爪(かんにゅうそう)が悪化し、炎症を起こして、激しい痛みを伴う恐れもあります。

ハイヒールで歩いたり、立ったりするたびに、衝撃が繰り返し足にかかってくると、足の指が曲がったままになる槌状足指症(ハンマートゥ)や外反母趾といった症状も始まります。

ハイヒールの履き方のポイント

ハイヒールを履くことによって、アンバランスな体重のかかり方が続くと、体のゆがみが起こり、足の指だけではなく、骨盤や股関節にも大きな影響を与えてしまいます。

そのため、Jacqueline Suteraさんは、自身の患者に、上記のような症状を緩和させるカギとなる「ハイヒールを履くときに、やるべきこととやってはいけないことのリスト」を与えています。

同じ高さのヒールを毎日履き続けない
週ごと、または、日ごとに靴を変えてください。
通勤用の靴を履く
仕事やイベント、パーティーなどで、どうしてもヒールの高い靴を履かなければならない場合は、行き帰り用に歩きやすい快適な靴を用意してください。
決して、7cmから10cmもの高さがあるヒールを履いて一日中歩き回らないでください。
ウェッジソールやプラットフォームタイプを取り入れる
ヒールの高い靴を履きたいのなら、かかとのヒール部分が独立しておらず、靴底全体をカバーしているウェッジソールのパンプスや厚底のプラットフォームシューズの方がおすすめです。
これらは、かかとが細くとがったハイヒールに比べて、地面に接する靴底が広くなるので、体重が分散され、足への負担が軽減します。