運動科学者による「腕立て伏せの正しいやり方」

腕立て伏せは、フィットネス器具や特別な道具がなくても、思い立ったときに簡単にできる筋力トレーニングのうちのひとつです。

腕立て伏せを正しく行うことによって、胸や肩の筋肉、また、上腕二頭筋(力こぶができる二の腕の部位)などが同時に鍛えられ、なおかつ、インナーマッスルも鍛えられて姿勢がよくなります。

ところが、やり方、特にフォームを間違ってしまうと、効果が十分に得られなくなってしまうので注意が必要です。

ここでは、腕立て伏せの正しいやり方について、姿勢やフォームの注意点(頭やお尻、足の位置など)、呼吸方法、初心者向けやレベルアップ向けのやり方などを中心に、アメリカスポーツ医学会のフェローであるShawn Arent氏がTech Insiderでアドバイスしたものを分かりやすく紹介します。

Shawn Arent氏は、ラトガース大学のヘルス・ヒューマンパフォーマンス研究センターのディレクターでもあります。

正しいやり方

まず、両手を床につけます。手は、肩の位置のすぐ外側にしっかりとつけ、肘は後方に向けます。この時点ですでに体のラインは、頭から肩、腰、足首にかけてまで全てが一直線になるように意識してください。

このままの姿勢で、腕を伸ばします。このとき、頭はニュートラルポジション(体のラインの延長線上)におき、首と背中が平らになるようにしてください。体重は手と足の間にかかる感じです。

そして、反動をつけたり、腰から上下させるのではなく、頭から足まで全体の動きを統一させながら腕の曲げ伸ばしを繰り返します。腕を伸ばしながら息を吐き、吸いながら曲げます。

腕立て伏せは、背骨をはじめ、体全体が完全にフラットになるように行うのがポイントです。

レベルアップ向けのやり方

もし、負荷をかけたトレーニングをしたい場合は、ベンチに足を上げて同様に行います。このときも、頭の位置や姿勢に十分注意してください。

フォームに注意しながら、細かい動きで素早く腕の曲げ伸ばしを行なったり、肘を深く曲げて、胸を地面すれすれまで近づけるとより一層負荷がかかります。

注意点とポイント

下記に腕立て伏せをするときによくある間違いと、効果を高めるためのポイントを紹介します。

肘が外に開き過ぎない

腕を曲げるとき、肘を軽く自分の方に引き寄せるように後方に向けてください。肩のポジションが悪くなるので、肘を外側に開きすぎないように注意してください。

頭を下げない

腕立て伏せをするときに、頭が下がってしまうと、背骨が曲がって胸の筋肉に適切な負荷がかからなくなり、適切な運動効果を得られなくなります。

逆にアゴを上げるのもいけません。

腰の位置を体のライン上に保つ

腕を伸ばしたときに、腰を突き上げたり、お尻が垂れ下がらないように腹筋のインナーマッスルを引き締めて、一直線の姿勢をキープしましょう。

初心者向けの腕立て伏せ

もし、上記のような腕立て伏せが難しいようなら、下記のように少し負荷を減らして行うこともできます。

膝をつけて行う

膝をつけて体重をのせ、両足を足首の位置でクロスさせて、足先を床から上げた状態で腕立て伏せを行います。このときも同様に、頭が下がらないようにして、背中を平らに保ってください。

手の位置を高くする

手を床ではなく、ベンチなど少し高い位置に置いて行うのもよいでしょう。

腕の曲げ伸ばしをしない

足はつま先立ちになり、(肘と足を、肩幅に広げて)手首から腕までの前腕を床につけます。手の平は床につけても、両手を組んでもよいでしょう。

目線は前方に向けて、頭を下げないように注意し、そのままおなかに力を入れて、お尻をぎゅっと引き締めます。

頭、首、肩、背中、お尻、足が一直線になるようにして20秒間姿勢をキープします。膝に力が入りすぎないように注意してください。

その他の参照元:
Short movement triceps pushups for beginners