早起きの人は夜型よりも本当に得なのか?

2017年9月 5日

おそらく、ほとんどの人が早起きは価値があると信じているかもしれません。

しかし、それはいつから言われるようになったのでしょうか。早起きをする人は、夜型の人よりも本当に得をしているのでしょうか?寝る時間が、人の知性や成功度に影響を与えることはあるのでしょうか?

驚いたことに、人間は生まれながらにして睡眠の傾向が朝型か夜型かが遺伝的に刻み込まれているようです。そこで、朝型と夜型の人の傾向を科学的に検証していくと、おもしろいことが分かってきました。

ここでは、朝型と夜型の人間がどのように違うのかについて、それぞれの特徴やメリットを分かりやすく紹介していきます。

朝型、夜型人間は遺伝的に決まっている

個人の睡眠の傾向は、遺伝的に決まっており、仮にあなたが夜型人間であるなら、それは祖先から受け継がれたものである可能性があります。

実は、進化の観点から考えると、それは道理にかなっているのです。

なぜなら、昔は、さまざまな睡眠パターンをもつ人がいることによって、昼から夜を通じて一日中一族全体を外部の脅威から守ることができていたからです。

たとえば、一族がすべて同じ早起き型の睡眠パターンであった場合、夜に脅威となる敵がやってきたとしても、それに気づける人がなければお互いの身を守ることはできませんが、朝型と夜型の人がいることで、それぞれが役割分担をしながら脅威が迫ったときに対応しやすいようになっていました。

しかし、現代の社会では、ほとんどの活動が朝の9時から夕方5時までの間に行われているため、夜型の人はどうしても不利な状況に追い込まれてしまいます。

そこで、研究者は、社会の規範に従いにくいこれらの夜型の人を表現するために「社会的時差ぼけ」という新たな言葉を作り出しました。

「社会的時差ぼけ」をもつ夜型の人間の特徴

社会的時差ぼけに相当する夜型の学生が全体的に成績を低下させる傾向が強いという研究結果がありますが、それは、慢性的な睡眠不足が脳機能に直接的な影響を及ぼすことを考えると、それほど驚くことではないのかもしれません。

これは、実際に物理的にも表れており、特に脳内でニューロン(神経細胞)の伝達を助ける白質に大きな違いがみられます。夜型の人の脳は、白質が顕著に少ないため、セロトニンやドーパミンなどの幸福感を感じるホルモンの経路が少ないといわれています。

そうはいっても、夜型の人にとってはそれが悪いことばかりではありません。

事実、夜型の人は、よりクリエイティブで高い認知能力があることや、リスクに立ち向かう傾向が高いことでも知られています。

白質は欠けていますが、コルチゾールレベルがそれを補っており、不安や恐怖に対する反応が少なく、それがリスクを恐れない気質に貢献しているようです。研究では、それらが結果的に、潜在的な金銭的利益をもたらす由縁となっていることが示されています。

「朝型」の人間の特徴

朝型の人間は、前向きでかつ楽観的で気分が落ち込みにくい傾向があり、たばこやアルコール、特定の食べ物への中毒、うつ病などを引き起こしにくいといわれています。

ただし、目覚めた直後は非常に精力的ではありますが、夜型の人よりも日中を通じてエネルギーが失われやすいようです。

ある研究では、目覚めてから1時間後に行われた反応テストで夜型と朝型の両者とも同じくらい良好な結果が得られたにもかかわらず、起床後10時間経過した時点で行われた反応テストでは、夜型の人の方が著しく良好に脳のパフォーマンスを発揮していることがわかりました。

DNAは体内時間に影響を与えている

体内時計は、DNAのさまざまな遺伝子から作られた多くのタンパク質によって制御されています。

ある研究によって、「period 1」と呼ばれる遺伝子のタンパク質の特定の領域で、遺伝子コードを1回変更すると、起床時間に1時間の差が生じることが分かりました。

信じられない話のように感じるかもしれませんが、科学者はまた、体内時計と同様に、遺伝子と人間の寿命の相関関係も見出しています。

なんと、習慣的に朝早く起きている人は、およそ午前11時頃に寿命で死亡する可能性が高く、夜型の人は、それが夕方の6時前頃であることが多いというのです。

また、夜型か朝型かがホルモンの影響を受けているのも事実です。一般的に、思春期はホルモン変化によって、夜型になる傾向がありますが、大人になるとホルモン変化よりも、遺伝的な問題の影響に傾いていきます。

まとめ

以上のことから、朝型の人が利益を得て、夜型の人が人生において損をしているというわけではなく、夜型の人は、ただ少し遅れて利益を得ているだけであるようです。

つまり、朝起きる鳥だけがエサの虫を得られるのではなく、夜型の鳥は後で虫を得られるというだけのことです。