「朝食は一日で最も大切な食事」はウソなのか?

全粒粉、ビタミン、栄養豊富な朝食で一日を始める。

誰もが素晴らしいことだと感じ、異論を唱える人はいないでしょう。

実際に、「朝食が、健康にどれほど良い影響を与えるか」といった見出しのニュースは溢れており、そのほとんどは、科学的研究に基づいていると主張しています。そして、多くの人がそれに従い、当たり前のように朝食を食べています。

しかし一方で、残念ながら朝食は重要視する必要がないどころか、抜くのも悪くはないといった見解を示す研究があるのも事実です。

果たしてどちらが正しいのでしょうか?

ここでは、「朝食が大切である」のは、ウソか本当かについて、これまで山ほど行われてきた研究を分析した結果分かったことを紹介します。

朝食を抜くと心臓や血液に悪い影響を及ぼすのか?

最近の研究では、朝食を抜くと、心臓や血液の疾患をもたらす恐れがあると示しています。

この調査は、スペインの銀行が研究資金の一部を援助して、約4000人の中高年層の銀行員を対象に行われました。

被験者の健康と食生活を調べた結果、朝食を食べなかったグループの方が、動脈にプラーク(コレステロールなどの沈着物)が多くみられ、心臓病のリスクが高いことが判明したのです。

しかし、より注意深く見ると、研究に下記のような問題点が見つかりました。

この調査に使われたデータは、被検者にいつ、何を食べたかについて自己申告の形で収集されたもので、朝食べたものを覚えていなかったり、あいまいなまま答えていたりといった可能性が浮かび上がります。

しかも、調査が行われたのはたったの15日間で、完全に朝食を抜いた人は、全体の約3%だけだったのです。

また、朝食で食べられたものの多くは低カロリーなものが多く、高カロリーなものを食べたらどうなるのかといったことは分かりません。

これでは、研究で得られた結果が、本当に朝食に起因するものなのか、それとも、被検者の体質によるものなのか、直接的な因果関係がはっきりとしていません。もしかすると、原因がストレスやそれまでの食事形態、持病の有無などさまざまな影響と関係している可能性も考えられます。

実際に、研究者自身も、朝食と健康の直接的な相関関係がはっきりとはしていないため、もっと調べる必要性があることを認めています。

朝食を抜くと体内時計が乱れるのか?

ある研究者は、朝食を抜くと、体内時計が混乱し、通常よりも一日の後半に多くのカロリーを欲するようになると語っています。

しかし、これを証明するような科学的な根拠がないと指摘する専門家もいます。

このように、何十年もの間、数多くの科学者が、朝食と健康の因果関係に魅了され、研究を続けてきました。

朝食について過去に行われた研究例

最初に行われた大きな研究は、アメリカ合衆国カリフォルニア州アラメダ郡のもので、それは1960年代までさかのぼります。

研究者は、アラメダ群の住民の毎日の食習慣を文書化し、朝食を食べることが、十分な睡眠や適度な運動のように、健康の改善と長寿につながる傾向があることを発見したのです。

それ以来、朝食を抜くと体重増加や健康への悪影響につながるといったことを調べるための研究が現在も行われています。

最近行われた研究では、カナダの成人12,000人の食習慣を調査したところ、「朝食の消費量は、体格指数や肥満(太りすぎ)の有病率とは一貫した関連性がなかった」と結論付けられています。

まとめ

朝食が、健康に与える影響を裏付けるような科学的な証明はまだ見つかってはいません。

つまり、もしあなたが、朝食を食べたいなら食べればよいし、朝食よりももう20分の睡眠を選びたいなら選べばよいのです。

実際に、朝食を毎日食べている人に、それをやめるように頼んだところで、おそらくほとんどの人が無理だと答えるでしょう。毎日の習慣は、なかなか簡単に変えられることではありません。

ただ、朝食の有無とは関係なしに、健康的な食事には気を配らなければなりません。