子供を産むならいつがベストか?

2017年10月 5日

早く子供が欲しいと考えている人も、将来的に欲しいと考えている人も、機を逃すと妊娠できなくなることへの不安が頭のどこかにあるかもしれません。

もし、年齢を重ねるにつれて、妊娠できる可能性が低下するのであれば、出産の適齢期とはいつごろに相当するのでしょうか?子どもが産めるタイムリミットに対して、私たちになにかすべきことはあるのでしょうか?

ここでは、妊娠して子供を産むのならいつがベストかについて、変化している年齢別の妊娠成功率や、卵子や精子の老化現象、高齢妊娠のリスクやメリットなどを中心に分かりやすく紹介します。

近年、女性の卵子の老化に関しては、ある程度の認識が広まりつつありますが、実は、男性の精子も高齢化に伴って老化しており、子供の出生異常に関係していることが分かっています。

妊娠する上で必要な女性の卵子の話

女性が初潮(初めて生理がくる)を迎える平均年齢は12歳から13歳前後ですが、その頃の卵巣はまだ卵子を放出し始めていないものがほとんどで、実際に妊娠する可能性がピークに達するのは、まだ先の20歳前半から半ばからだといわれています。

そして、女性が生涯生産できる卵子の数には限りがあり、常に新しい精子を生産し続けることができる男性とは異なります。

だからこそ、女性は妊娠できる期間が限られていると不安に感じるかもしれませんが、実はそれほど悲観すべきことではないようです。

実のところ、思春期までに原始卵胞(卵子の元となる未成熟な卵)は30万個近くも生成され、その後に訪れる排卵周期ごとに合計300回から400回以上も放出されていきます。

妊娠可能率の統計の変化

一年間妊娠活動を試みた女性に関する有名な統計によると、30歳の女性は25%、35歳では44%、40歳で66%の確率で妊娠できなかったと示されています。

しかし、このデータの大半は過去のデータを参考にした2004年の生殖医学雑誌によるものです。

実際に、1670年から1830年までさかのぼったフランスの出生記録と比べてみても、現代は、より安定した食料供給や医学的進歩、電気機器による生活環境の変化などによって女性の寿命や健康状態が大きく変化しているのは明らかです。

また、男女の性交渉の回数をみても、年を重ねるにつれて減少する傾向が高かった昔と現代社会とは異なります。

そのため、最近の科学者の見解は、年齢によって女性が妊娠できなくなる可能性に対して、昔に比べるとより楽観的な見方に変わってきています。

現代の妊娠可能性率は高まっている

近年の研究によると、避妊をしない性交渉の場合、一年間妊娠活動を試みた女性のうち、27歳から34歳で13%から14%、35歳から39歳では18%が妊娠できなかったと示されています。

このデータから、依然として年齢にともなう妊娠率の低下はあるものの、一昔前のデータに比べると、全体的に妊娠できる可能性が高まっていることが分かります。

別の研究では、38歳と39歳で妊娠を試みた女性は、それまでに妊娠経験があれば、6ヶ月以内に自然に妊娠できる可能性が80%にも及ぶことが示されています。

しかしこの研究は、暗に一つの重大な問題を明らかにしています。

子供を産む能力(繁殖能力)の高い女性は、30代での出産を希望しているにもかかわらず、妊娠適齢期とは関係なしに、若いうちに意図しない妊娠をしやすいことも明らかになりました。

高齢妊娠のリスク

女性の高齢化にともなって老化した卵子は、正常に受精できない可能性や染色体異常の増加がみられるのは事実です。

30歳の女性は、ダウン症候群の赤ちゃんを産むリスクが800人に1人の割合であるのに対して、40歳では100人に1人と高くなります。

若い女性の卵子を体外にて低温凍結保存する手段も徐々に浸透してきましたが、それもまだ高齢化にともなう妊娠成功率を保証するものではなく、年齢や子宮の健康状態、高い費用などの要因がからみあって、まだまだ狭き門といえます。さらに、凍結過程で卵子の質を低下させることも分かってきました。

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男性の精子の老化する

男性の場合、妊娠させることができる可能性は無限です。

ひとつの興味深い例でいえば、イギリスの有名俳優チャーリー・チャップリンは、70代で子供を作っています。

男性は、常に新しい精子を作ることができ、50歳になるまでに、精子をつくる細胞は800回以上の分裂と複製を繰り返しています。

しかし、現実的には、この精子を作る細胞は、長い年月をかけて細胞分裂を繰り返すにつれて遺伝子変異を起こしやすくなります。その結果、高齢の男性の精子は、子供の統合失調症や自閉症、がん、低身長症、神経線維腫症、さらには、頭蓋骨や顔面以上を有するリスクを高めるといわれています。

精子の老化に加えて、西洋の若者は、過去40年間で精子数が50%以上も減少していることも分かっています。

高齢出産によるメリット

ここからは、生物学的な話ではなく、少し育児に焦点をあてていきます。

確かに若い親は、子育てのエネルギーが満ち溢れているかもしれませんが、高齢の親にも、より成熟した考えや安定した財政力といったメリットがあります。

もちろん高い収入がそのまま優れた親を意味するわけではありませんが、研究では家計収入とSAT(大学能力評価試験)スコアの関連性が示されています。

また、発展途上国では、出産による15歳から19歳の女性の死亡リスクは、20歳から24歳よりも28%高く、一部のサハラ砂漠以南のアフリカの地域では、少女や若い女性の25%が予期せぬ妊娠のために学校を中途退学しているという現実もあります。

まとめ

全体的にみると、男性の精子と女性の卵子の双方の要因から、確かに年齢を重ねるにつれて妊娠は難しいものになってはいくことは否定できませんが、それでもなお、メディアで頻繁に議論されているほど妊娠できない可能性に関しては悲観すべき数値ではありません。

妊娠の適齢期や確率は、人それぞれで遺伝子やライフスタイルなどに基づいて変化しやすいため、個々の判断によるところが大きいようです。