髪についてよくある6つの誤解を紹介

髪についてのウソと本当人体の不思議

「アタマジラミは不潔な髪を好む」「髪は死後も伸び続ける」など、世間では、髪に関するさまざまなうわさが言い交わされています。

なかには、「マクドナルドのフライドポテトを食べるとハゲが治る」のように少しばかげた迷信もありますが、その中でも真偽が特に気になる6つの「髪に関するうわさ話」について、ここでは毛髪学者のShirley MacDonaldさんが、科学的な視点で検証したものを分かりやすく紹介します。

髪は死後も伸び続ける

髪は、人が死んでもなお成長し続けると信じられていることがよくありますが、それは完全に誤った通念です。

人の死後は、頭皮から水分が奪われて皮膚組織が収縮していくため、実際には、後退した皮膚に隠れていた髪が露出して、まるで成長しているかのように見えるだけなのです。

ひげも同様のことがいえます。

一般的に、髪はひと月でおよそ1センチメートル伸びますが、死後の皮膚は、細胞分裂をしなくなるので、それ以上成長し続けることはありません。

シラミは不潔な髪を好む

アタマジラミは、人の血液や体液を吸う寄生虫です。

よくアタマジラミがわくと不衛生な印象を与えることがありますが、これは全くの誤解です。

実のところ、アタマジラミは洗髪してきれいにしている頭を好みます。

なぜなら、洗髪されたきれいな頭皮環境の方が、動き回って血液を吸うのに好都合だからです。

カラーリングやブリーチで髪を染めるのはよくない

髪を染めるのが、頭皮や髪にとってよいとはいえません。色素が薄ければ薄いほど染色液に含まれる過酸化水素の成分が多くなるので、より一層髪へのダメージを与えます。

しかし、カラーリングやブリーチが、髪にとって最も悪いというわけではなく、日常的に浴びる紫外線やスタイリング剤の使用、ドライヤーやコテの熱などによる刺激、髪への摩擦もまた、枝毛を引き起こし、髪へのダメージを与えているのです。

もし、日々そういった髪への負担がかかってしまっているのなら、食事管理に気を付けてみてください。適切に栄養を摂取し、たくさんの水を飲むことによって、髪を強く健康的に保てる可能性は高まります。

カラーリングもブリーチにしても髪を傷める原因にはなりますが、髪を染めた後のヘアケアや食事管理によって、頭皮や髪の毛の栄養状態をよく保つことが大切なのです。

父親がはげていたら、自分もはげる

あなたが、一番似ていると思うのは母親ですか?父親ですか?

もし、自分は母親の遺伝子の方を多く引き継いでいると思うのであれば、母親の兄弟を思い浮かべてください。

おそらく、将来的には、母親似であれば母親の兄弟、父親似であれば父親自身のはげ方に似てくるでしょう。

シャンプーを使わない方が髪の健康にはよい

シャンプーをしたとしても、髪の軸にある脂質まで洗い流されることはありません。

洗髪は、髪についた余分なバクテリアや酵母菌などを洗い流して、髪を健康的に保つという役割もあるので、髪を清潔にするためにもシャンプーで洗った方がよいといえます。

ただし、シャンプーの中には刺激が強すぎるものがあり、それがかえって髪の乾燥を促してしまう可能性があるので注意してください。

もともと頭皮には、自浄作用があるといわれています。実際に、皮脂の蓄積によって、それをエサにする皮膚常在菌が生まれ、それらの菌が髪や頭皮を守っています。大切なのは、皮膚常在菌と皮脂のバランス壊さないで頭皮環境を清潔に保つことです。

マクドナルドのフライドポテトを食べるとハゲが治る

近年、日本の科学者によって、マクドナルドのフライを作るために使われる化学物質が、脱毛症の治療に役立つことが発見されました。

横浜国立大学の幹細胞の研究チームが、ジメチルポリシロキサンと呼ばれるシリコーンの一種を使って、マウスの毛を再成長させるという画期的な方法を発見したのです。このシリコーンは、フライを作るときに加えると、油の泡立ちを止める役目があります。

髪について重要な何かが発見されたのは注目すべきことですが、それが、実際にマウスから人の皮膚細胞で試されたときに、同様に成功するかは、これから注意深く見守っていく必要がありそうです。