わたしたちの血液は、死後でも輸血できるのか?

2018年5月31日

臓器提供は、脳が働かなくなったり(脳死)、呼吸や心臓が止まった後(生体死)にできます。

一般的に、臓器といえば、ほとんどの人が肝臓や心臓、肺などをイメージするかもしれませんが、実は、「血液」も臓器のひとつで、過去には、ロシアで、亡くなった人の血液が輸血された事例もあるようです。

しかし、心臓が動かなくなると、血液は、流れが止まって固まったり、細菌が増殖したりしないのでしょうか?そもそも、死後の血液を輸血なんて聞いたことがないと疑問に思う人の方が多いかもしれません。

そこで、ここでは、脳を中心とした科学的な話題を扱う「LIFE NOGGIN」に寄せられた質問のなかから、血液など体に関するとても興味深い疑問4つ「死後に輸血することはできますか?」をはじめ、「私たちにはなぜ体毛があるの?」「爪を噛むのは悪いことなのか?」「人は、なぜにきびができるの?」について分かりすく紹介します。

死後の輸血の可能性

死後の人間の血液については、医療的に使用する技術はありますが、ほとんどの国や地域で取り入れられていないのが実態です。

人の死後は、呼吸や心臓が止まったとしても、すべての細胞組織や臓器がいきなり死んでしまうわけではなく、それぞれが独自にしばらくの間生きています。

つまり、生体死と生体を構成する各細胞の死に時差があるわけですが、血液の細胞成分(白血球や赤血球、血小板など)も例外ではありません。

米国の科学ジャーナリスト、メアリー・ローチさんの著書「死体はみんな生きている/The Curious Life of Human Cadavers」によると、体内の血液は、死後約6時間から8時間は生命を保っており、輸血の安全性と有用性が確認されています。

しかし、実際には、「人の死」に対する倫理観や宗教的な禁忌感などの社会的な問題が根深く、1930年にロシアの研究所で、歴史上初めて死体輸血に成功して以来、ロシア以外で取り入れられることはありませんでした。

私たちにはなぜ体毛があるの?

人間の体毛は、毛で覆われていた祖先が進化する過程で、残されてきた一種の残存物的な要素が強いといわれています。

実のところ、私たちは、類人猿と同じくらいの密度の毛包を持っていますが、毛がはるかに細くて短いので、皮膚が露出したようにみえています。

一節には、この体毛の退化が、生活様式や環境の変化に対応して皮膚が体温を効率的に逃がすため、また、体についた蚊やトコジラミといった吸血性の寄生昆虫などを見つけるのに役立つからではないかと考えられています。

爪を噛むのは悪いことなのか?

爪を噛むのは悪い習慣というイメージが強いかもしれませんが、最近の研究で、一般的なアレルギーから守る作用が働いている可能性が分かってきました。

研究では、子供の頃に、爪を噛み、指しゃぶりのクセがあった人は、(それだけ細菌や微生物に触れる機会が多く)成長してからのアレルギー発症リスクが軽減することが示され、2016年の米国小児科学会誌でも紹介されました。

爪を噛むくせが推奨されるわけではありませんが、悪いことばかりではないので、それほどナーバスになる必要はないのかもしれません。

人は、なぜにきびができるの?

にきびは、思春期に伴うホルモン変化によって、10代の若者によくみられる傾向があります。

しかし、ホルモンの影響だけでなく、薬の副作用や月経、および、心的ストレス、毛包が詰まって皮膚の下で脂質が蓄積するなど、その他の要因も引き金となって、あらゆる年齢で発症する可能性があります。

最後に

上記以外でも、いまだに解決できない人体の不思議はたくさんありますが、臨床実験や研究によって、今でも少しずつ科学的な解明が進んでいます。

そもそも生命とは何か、どうして生命体は死ぬのかなど、科学的にはなかなか説明できないこともたくさんありますが、これからも、そういったおもしろい話題をたくさん紹介していきます。

その他の参照元:
pubmed