気温が高くなると、汗がとめどなく出ることは誰にでもあります。
しかし、友人はそれほど汗をかいてないのに、自分は夏に限らず一年中いつも汗でぐっしょりといったように、なぜ自分だけこんなに汗っかきなのかと悩んでいる人は意外に多いといわれています。
基本的に、人が自然にかく汗の量には個人差がありますが、あまりにも多くの汗をかく場合、医師はそれを「多汗症」と呼びます。
ここでは、異常なほどの汗っかきの原因として考えられることについて分かりやすく紹介します。
汗の役割
そもそも「発汗」は、厄介なものとして嫌がられていますが、体が体温を調節するためには重要な部分です。
汗は、体が熱くなり過ぎないように、皮膚から蒸発するときに体を冷やす「体温調節」の役割があります。
そして、ときにはストレスに対する自己防衛反応の一部として、顔や手の平のような場所にもぐっしょりとかく汗もあります。
汗をかきやすい体質
発汗の要因がなんであれ、なかには汗腺が誘発されるといつも、異常なほどの汗をかく人がいます。
意外に感じるかもしれませんが、性別、年齢、体力、健康などは、あなたがどれくらい汗をかくかを決定する要因になることはほとんどありません。
もちろん辛い食べ物を食べたり、アルコールやカフェインを飲んだりすると、汗をかきやすくはなりますが、これらの要因は、いつもより少しだけ汗の量を増やす程度しか影響しません。
汗っかきの原因
もし、あなたが、運動や食事など汗をかくようなことをなにもしてないにも関わらず、他の人よりも明らかにたくさんの汗をかいたり、急に大量の発汗が起こったり、または、日常的に生活に支障がでるくらいまでの汗をかくようなら、それは「多汗症」である可能性があります。
その場合、汗腺の過活動は、わきの下や足の裏、顔周辺などでしばしば引き起こされます。
なかでも際立ってよく見られるのが手の平の汗ばみで、症状がひどくなると汗で濡れて物が上手に持てなかったり、道具がうまく使えなかったりして生活に支障をきたすようになります。
しかし、上記のように、わきや手などの特定の部位だけでなく、体中のいたるところで異常なほど汗をかくような場合、その原因は特定の投薬への反応や更年期障害といった一時的なものにある可能性があります。
また、糖尿病や不安障害、代謝異常や循環器系の病気なども、過剰な発汗の要因として隠れていることも考えられるので注意が必要です。
多汗症の疑いがあるなら
2004年の研究では、アメリカの成人のおよそ3%が何らかの多汗症であるにも関わらず、医師に相談したのはその半数以下であったことが分かりました。
汗かき体質の人の多くが、汗が気になって人付き合いがうまくできなくなったり、仕事や勉強など日常生活にまで支障がでたりすることを一人で悩んでいるのです。
たしかに、医師に相談すると、発汗の原因を調べるための検査が行われますが、それが精神的なストレスで交感神経が過敏になっているのか、または、ホルモンバランスや遺伝的なものなのか、病気からくるものなのかといった根本的な原因はすぐには分からないこともよくあります。
しかし、幸いなことにそういった場合でも、いくらかの手立てはあります。医師は、発汗の症状を一時的に抑えるために、さまざまな方法で汗の量をコントロールする手助けをしてくれます。
最後に
多汗症の人にとっては、おそらく異常なほどの汗をかかないドライな肌を手にできれば、たくさんのメリットが得られるでしょう。
しかし、大切なことは、汗にも体温を調節するという役割があることや、発汗をコントロールする方法は手術だけではなく他にもあり、やり方によっては副作用も伴うといった正確な知識を知ることです。
そのうえで、悩んでいる症状を医師にしっかりと相談してよい方法を探ってみてください。