バイ・ホモセクシュアルはまだほんの一部。知られざる10の性的指向

2019年3月 4日

私たちの社会では、身体的な特徴から、当たり前のように男性と女性を分けて考えられることが多く、それぞれに求められる役割が区別される傾向があります。

しかし、それはもはや次代遅れな考えとなってきました。

なぜなら、性といわれる類のものはもっと複雑で、自分が認識している「性別」や「性的指向(性的な興味の対象)」、あるいは、「恋愛的指向(恋愛的な興味の対象)」は、必ずしも出生時の身体的な性別にそのまま当てはまるわけではないからです。

その複雑さゆえに、自身や他者の「セックス(生物学上の性別)」や「ジェンダー(社会的、文化的な性別)」の世界を、ナビゲートするのは難しい場合がよくあります。

また、多様化しつつある性に対して無知であると、自分のジェンダーやセクシュアリティ(恋愛や性的な興味の対象)に混乱して悩んだり、社会的な偏見につながったりすることも十分に考えられます。

そのため、ここでは、まだあまり知られていない性的・恋愛的指向について、代表的な10のタイプを例を挙げて分かりやすく紹介します。

日本では、下記のいくつかは初めて聞く人の方が多いかもしれませんが、海外では、多様化する性を受け入れる考えが既に少しずつ浸透しつつあります。

それには、この記事で紹介する有名人のように、「ジェンダーは自分自身が決めること」という自立した考えのもと、自身の性的指向を受け入れ、誰もがオープンに活躍できる社会を作るために積極的に貢献している人々の力が大きく影響しています。

1、 両性愛(バイセクシュアリティ)

両性愛(バイセクシュアリティ)の定義については、常に議論が交わされています。

もともとの定義は、男女両方の性別への魅力でした。つまり、同性にも異性にも、性的・恋愛的指向や欲求をもつことです。

しかし、性への理解が進むにつれて、両性愛についての進化した定義が主張されるようになりました。

それは、自分と同じ性別や、他者の性別に対する魅力だけでなく、男性にも女性にも分類されない「ノンバイナリージェンダー」と呼ばれる存在も組み込まれるというものです。

なにも生物学上の性別にこだわる必要はなく、男性でも女性でも、もしくは、どちらにも限定されないニュートラルな性(ノンバイナリージェンダー)であっても、性別は自分で決めることができるし、あえて決める必要もないという性の多様化が表れています。

有名な両性愛者としては、パニック・アット・ザ・ディスコのヴォーカリストであるブレンドン・ウリーや、女優のアンジェリーナ・ジョリーなどがいます。

2、 同性愛(ホモセクシュアリティ)

同性愛(ホモセクシュアリティ)は、最もよく知られる性的指向の一つです。

自分と同じ性別に惹かれることを意味し、主に男性の同性愛者は「ゲイ」、女性の同性愛者は「レズビアン」と呼ばれることもあります。

有名な例としては、コメディアンのアラン・カーや司会者のsue Petersonなど。

3、 異性愛(ヘテロセクシュアリティ)

これは、異性に対して恋愛感情をもつことで、最も一般的だとみなされやすい性的指向です。しかし、その正否については議論に上がることがよくあります。

問題なのは、「生物学的な性が男性だから、性的に魅力を感じるのは女性であるのは当然だ」といった異性愛への解釈にはほとんど根拠がないにも関わらず、社会一般の傾向として、こういった性別や性的指向への考えに偏りが生じていることです。

実のところ、生物学的な性別と自分が思っている性別(性自認)、どんな性を好きになるか(性的・恋愛的指向)はそれぞれに因果関係はなく、関係のないものなのです。

ちなみに、ここでいう「異性」とは、自分とは異なる性別を指すためによく使用されます。

4、 全性愛(パンセクシュアリティ)

全性愛(パンセクシュアリティ)とは、性別は関係なく、男性や女性の類に分類されない人も含めてあらゆる人に対して性的にも恋愛的にも惹かれることです。

パンセクシュアルな人についての捉え方は一通りではなく、性の枠にとらわれない(性別は全く気にならない)と考える人がいる一方で、バイセクシュアルと同じような意味で使う人もいるようです。

歌手のマイリー・サイラスは、全性愛者として有名です。

5、 多性愛(ポリセクシュアリティ)

多性愛は、 男性と女性、または、2つ以上の性別に惹かれる人々を指します。

一般的には、両性愛も全性愛も、多性愛の一種だと考えられます。そのため、多性愛、両性愛、全性愛に関しては、表現方法も一通りではなく、自身の性的指向について自分がどのように感じるかといった主観で表現されることが多いようです。

6、 無性愛(エイセクシュアリティ)

無性愛は、あまり知られていない性的指向の一つです。

それは、いかなる性別に対しても性的魅力を経験していない人を指します。

しかし、これは彼らが人と恋愛関係や性的関係を全く持たないという意味ではありません。

テレビ番組の「ボージャック・ホースマン」は、登場人物の一人トッド・チャベスを通じて、無性愛についてうまく描写したアニメとして知られています。

7、 グレーエイセクシュアリティ

無性愛と似ていますが違います。性的魅力を全く経験したことがないのではなく、同性、異性を問わず、人に性的な魅力をめったに感じない人を指します。

無性愛の傘下としてみなされているにも関わらず、場合によっては、性的な欲求を感じることもあるようです。

8、 デミセクシュアリティ

デミセクシュアリティも、無性愛の一種ですが、傾向が異なります。

デミセクシャルは、相手との感情的なつながりを感じたときのみ、性的な欲求を感じます。

たとえば、彼らは、道端で、見知らぬ人に性的魅力を感じることはできません。

同性、異性を問わず、相手のことをよく知り、お互いに強い心的関係が構築されたと感じたときのみ、性的欲求や恋愛感情が引き起こされる可能性があるのです。

9、 アンドロセクシュアリティ

アンドロセクシュアリティは、LGBTQ(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、ジェンダークィア )の枠にはまらない性的指向で、ほとんど知られていません。

男性、女性、ノンバイナリージェンダーなど、性別は一切関係なく、その人の男らしさに惹かれるのです。

10、 ガイネセクシュアリティ

ガイネセクシュアリティもほとんど知られていません。

男らしさに惹かれるアンドロセクシュアリティと同様の性的指向をもちますが、ただし、対象となるのが「女らしさ」です。

あらゆる性別のあらゆる個人に惹かれます。

最後に

ここで紹介した10の性的指向、、、両性愛(バイセクシュアリティ)、同性愛(ホモセクシュアリティ)、異性愛(ヘテロセクシュアリティ)、全性愛(パンセクシュアリティ)、多性愛(ポリセクシュアリティ)、無性愛(エイセクシュアル)、グレーエイセクシュアル、デミセクシュアル、アンドロセクシャルなどは、ジェンダーやセクシュアリティーをナビゲートするうえで、まだほんの部分的なものにすぎません。

たしかに生物学的な性別、性自認、性的指向、恋愛指向といった類のものは、本当に複雑で、かつ、多岐にわたるものであるがゆえに、多くの人を困惑させてしまうかもしれません。

しかし、目まぐるしく変化する現代社会において、あえて分類にはめこむ必要はないようにも思えます。

この記事を通じて、性的指向や性自認への理解が深まることで、個人のアイデンティティに対する感覚が尊重され、人が住みよい、誰もが活躍できる世の中をつくる第一歩となることを願います。

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