親の愛し方が子供にどう影響を与えるのか?成長して人とよい関係を築くためのカギとは

2019年4月 2日

私たちは、「努力してなりたい人間になる」ことを自分で選択できます。

しかし、「場面に応じてどのような行動をとるか」や「自己表現のやり方」といった個人の行動パターンは、身近な環境を理解しはじめる子供時代にある程度形作られるといわれています。

それについて、結婚・家族カウンセラーのミラン博士とキー・イエルコビッチ博士らは、ある興味深い発見をしました。

それは、誰もが、自らが育った環境や親との関係に基づいた愛のスタイルを持ち合わせていることでした。

愛のスタイルといっても、それは、恋愛のパートナーに対するものだけでなく、他者との関係全般に大きな影響を及ぼすもので、それを知ることによって、自分のことや努力すべきことが見えてくるというものです。

それでは下記に、ミラン博士とキー・イエルコビッチ博士が定義した5つの愛のスタイルについて紹介します。自身と重ね合わせて考えることで、今の自分が子供の頃からどのような影響を受けているかが分かると、これから周囲の人と安定した健全な関係を築くためのヒントのようなものが見えてくるかもしれません。

「イヤ」といえない人

人は誰もがみな、心のどこかで「人間関係のトラブルに発展するようなことは避けたい」、「他人に嫌われないように」という気持ちがあるものです。

過度に萎縮してしまい、人に対して「イヤ」と言えない人は、しばしば過保護な親や怒りっぽい親、または、批判的な親のもとで育つ傾向があります。

彼らは、親の否定的な反応を誘発しないように、できる限りいい子であるために最善の言動をとろうとし、親から安らぎを与えられることがありません。

代わりに、彼らは、親に満足感や安心感を与えるために自らの時間とエネルギーを費やして子供時代を過ごします。

そのような子供は、多くの場合、対立関係に不快感を感じやすく、意見の相違があると早く終わらせたいがために自らの欲求を諦めたり、相手に合わせたりすることがよくあります。

波風を立てず対立を最小限に抑えたいがために、「イヤ」と断るのを苦手と感じ、人との衝突を避けるためにときには真実とは違うことを言ってしまうこともあるかもしれません。

一般的に、過保護な親や怒りっぽい親、または、批判的な親のもとで育った子供は、大人になるにつれて、他者の機嫌を敏感に感じ取ることを学んでいき、機嫌を損ねないように「空気を読む」ようになっていきます。

しかしながら、自身がストレスを感じたり、期待に応えられないことが分かったりしたときには、相手との関係を断ち切って逃げようとすることもあります。

また、みんなのためになろうとして、現実的ではないにも関わらず、同時にいろいろなことに手を広げすぎたり、他者との安定した関係を築くために、自分の境界線をつくる代わりに、相手のニーズや欲求に対してより焦点を合わせていく傾向が高くなります。

このようなタイプの人は、自らに期待されていることをやろうとするよりもむしろ、自身の感情にもっと正直にならなければなりません。

自己犠牲的な人

自己犠牲的な人は、しばしばストレスの多い無秩序な家で育ちます。

子供の頃は、周囲からあまり目立たないように行動し、生きていくために従順であることを学んでいきます。たとえば、怒って暴力的になる両親に対処するために、ひっそりと隠れて静かにすることをまだ幼い時期から身に着けていくのです。

両親に立ち向かうことは、彼らにとって痛みを伴うものなので、日々直面する危機的な状況に対処するために、頭の中に(現実から逃れるように)想像上の世界を築くこともよくあります。

このような自己犠牲的な人は、自尊心が低く、いつも不安や絶望感に苦しんでいます。

そして、そのようにして育った子供は、将来、両親と同じようなふるまいをする人(相手をコントロールしようとする人)と結婚する可能性があります。

親からの支配的な被害を受けた子供には順応性があり、加害者の流れに逆らわないことによって対処する方法を学んでしまうからです。

彼らは、ストレスの多い混沌とした状況に慣れているので、平穏を経験するとかえって不安になることがあります。それには、次に相手が機嫌を損ねて、今の健全で安定した関係が崩れることを予想して、そのときを恐れてしまうという背景があります。

このように、混沌とした家で育った子供が、他者と健全で安定した関係を築くためには、もっと自分を愛し大事に扱うことを学び、相手に傷つけられるのを許容する代わりに、自らが自分自身のために立ち上がらなければなりません。

支配的な人

支配的な人の多くが、親による保護があまりない環境で育つ傾向があります。彼らは、子供の頃から自らが生活し、強くなる方法を学びます。

親からの保護が十分でない環境は、肉体的にも、感情的にも攻撃されたり、傷つけられたりする可能性があります。そのため、成長しても、このような子供の頃に経験した「もろさ」が、大人になってから露出されるのを防ぐために、彼らは常に自分が支配していると感じる必要があるのです。

このような愛のスタイルを持つ人は、「支配」という鎧を身につけるで、恐れや屈辱、無力といった否定的な感情の経験を避けられると信じているのです。

しかしながら、支配的な人は、怒りと「もろさ」を関連づけることがないため、権力を維持するための武器として怒りを使ってしまいます。

彼らは、弱さや無防備さへの予防線として、自らの快適ゾーンから外れるのを好みません。

さらに、問題を自分で解決する、または、決まったやり方で成し遂げることを好み、そうでないと怒りを表わす傾向があります。

このような支配的な人が、他者と安定的な関係を長く築いていくには、手放す勇気をもち、他人を信頼し、怒りをコントロールする方法を学んでいく必要があります

煮え切らない人

煮え切らない人は、しばしば予測不可能な親のもとで成長します。

子供の頃から、彼らの欲求は、両親にとっては最優先事項ではないことを学び、両親からの一貫した愛情が感じられないがために、自分が捨てられることをひどく恐れてきました。

仮に親がようやく彼らに時間と注意を払おうと思ったとしても、その頃には大抵は、それを受け取るにはもう怒りすぎて疲れきっています。

そして、彼らは大人になると、子供の頃に奪われたゆるぎない「愛」を求めるようになります。

新しい関係を理想化しすぎる傾向があり、それが思い通りにいかないと、その関係に落胆し、疑いを抱くようになります。

そうなると彼らはしばしば自分が誤解されていると感じ、内なる葛藤や心的ストレスを経験します。相手の反応に非常に敏感になる可能性があり、相手が自分を避けているように感じるなど、ほんのわずかな変化でさえ素早く察し、それが頭から離れなくなってしまうのです。

そのため、彼らが人と安定した関係を築くためには、すぐに自分の期待にゆだねて落胆する前に相手のことをよく知り、自分達のペースを学んでいく必要があります

他人とあまり関わろうとしない人

他人とあまり関わろうとしない人は、しばしば自立を重視して情愛が欠けている家で成長します。

幼少期の早い段階から自立が求められ、両親からの十分な安心感を与えられないことへの不安に対処するために、自らの感情や欲求に耐えなければならない環境におかれます。

成長しても自分だけの空間を好み、感情よりも理論や客観性に頼る傾向があり、感情起伏の激しい人が周囲にいるのを好みません。

彼らが、他者とよい関係を築くには、心を開いて、素直に感情を表現することを学ばなければなりません

最後に

私たちは、子供時代の環境や親との関係から、自分の中に育った愛のスタイルを見ることができます。

どのような愛のスタイルであれ、あなたが何におびえているのかが分かったら、どんなときでもまず自分が何を感じているのか、その正直な気持ちに耳を傾けてあげましょう。

誰かを失望させることを恐がらないで、自分の「弱さ」や「もろさ」を人にさらけ出す勇気を持つときにはじめて、自分の人生を生きることができるのかもしれません。

いつまでもつきまとう不安や恐れ、不満から抜き出るカギは、一歩踏み出す勇気と決意にあります。

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