水を飲み過ぎたらどうなるの?実はおそろしい水中毒について

2019年8月16日

「毒」という言葉を聞いたとき、あなたはどのようなものを思い浮かべますか?

ヒ素、シアン化物。

それでは「水」はどうでしょう?

生命は水なしでは存在できません。

しかし、驚いたことに、条件さえそろえば水は、あらゆる毒と同じくらい危険な存在になります。

ここでは、水が毒となり得るとき、それは体がどのような状態なのかについて、水分摂取量と腎臓の働きをもとに分かりやすく紹介します。

腎臓の水分処理能力と水分摂取量

腎臓は、血液から不要な老廃物と水をろ過する役割があります。しかし、個人差があるにせよ、腎臓が処理できる水は、1時間に800ミリリットルから1000ミリリットルが限界です。

そのため、もしこの腎臓の処理能力を超えるスピードで水を飲んだ場合、困った問題が生じてしまいます。

通常、細胞の内側と外側は、その間を仕切る細胞膜の小さな穴を介してナトリウムと水を出入りさせることで、液体(組織液)のナトリウム濃度のバランスを慎重に保っています。

しかし、水を飲み過ぎた場合、細胞外液のナトリウム溶液が希釈されて、塩分が足りない状態になってしまいます。

すると、細胞内外におけるナトリウム濃度のバランスを回復するために、細胞外液の余分な水分の一部が一気に細胞内に流れ込んでしまい、結果的に細胞を膨張させます。

医師はこれを「水中毒」と呼びます。そして、それは私たちにとって大きな問題となります。

水中毒のリスク

さて、ほとんどの細胞は、脂肪や筋肉のような柔らかく柔軟な組織によってある程度の膨張は処理できますが、脳の細胞となると話は別です。

頭の頭蓋骨は岩のように硬くて伸縮性がないため、脳細胞が腫れると頭を圧迫し始めるからです。

すると、頭痛や意識障害、眠気が生じ、状況の悪化にともなっては、脳の損傷、昏睡状態、さらには10時間以内に死に至るリスクが生じます。

たとえば、ある64歳の女性は、一晩で30杯から40杯の水を飲んだ後、死亡しました。

米軍の訓練生においては、厳しいトレーニング後に、1時間毎に2リットルを超える量の水を飲んだ後、嘔吐と発作で苦しみました。

しかし、意外にも特に注意する必要があるのはマラソンランナーだといわれています。

研究によると、マラソンランナーは、レースによる腎臓をはじめとする体へのストレスのために、水が効率的に排泄されずに、血液に逆流しやすくなり、6人に1人が、少なくとも穏やかな水中毒を発症しています。

血中ナトリウム濃度のバランスが崩れる問題は、水に限ったことではありません。

たとえば、一度にビールを飲みすぎても同じ問題が起こる可能性があるのです。ポトマニアと呼ばれるものです。

ポトマニアとは

ポトマニアは、アルコールを飲む人特有の低ナトリウム血症で、急性の水中毒の症状、また、それらが引き起こされる要因などとよく似ています。

これは、電解質(ナトリウム、カリウム、マグネシウムなど)が乏しいビールやアルコール飲料を短時間で大量消費した場合に、腎臓での水の調節機能が正常に働かず、血中のナトリウムの濃度が低下してしまった状態です。

最後に

良いニュースは、深刻な水中毒は非常にまれであることです。

水中毒は、腎臓が正常に機能せずに水を処理できないがために、腎障害がある人に起こりやすいといわれ、通常は、低ナトリウム血症には至らないケースがほとんどです。

さらに、あなたの安全を保つ簡単な方法があります。

平均的な成人は、1日に2、5リットル程度の水が必要で、それは食べたものや喉が渇いたときに飲む水分で摂取できるため、それ以上飲み過ぎないようにしましょう。

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