運転中に眠くなるのはなぜか?ロードノイズが原因?それとも振動?

2019年11月21日

旅行や仕事中、通勤などで長時間にわたって運転をしていると、頭がボーっとしたり眠くなったりすることがあります。

実のところ、このような集中力や判断力が鈍った状態は、目的地に時間通り到着する妨げとなるだけではなく、もっと大きな問題につながってしまう可能性があるようです。

英国災害防止協会によると、ドライバーの疲労は、交通事故の約20%に起因すると示されています。事故にはならなくとも、車の中でうとうとして意識を保てなくなり、一瞬ヒヤリとした経験をしたことがある人も多いかもしれません。

そしてそれは、寝不足のときだけでなく、健康な人や十分な睡眠がとれている人にも引き起こされると考えられています。

さらに運転中の眠気は、疲労感や夜間(概日リズム)、食後の満腹感などにも関わらず、いくら注意していたとしても誰にでも起こり得ることなのです。

実のところ、運転中に眠気に襲われるメカニズムについては全てが明らになっているわけではありません。

ここでは、運転中に眠気を誘引する要因について、ロードノイズや車の振動などを中心に研究がすすむにつれて分かってきたこと分かりやすく紹介します。

ホワイトノイズ説

2015年の研究では、走行中にタイヤが路面を走るときに発生する音「ホワイトノイズ」が運転中の眠気を誘引すると考えられました。

研究では、19人の被験者に、「静か」または「騒々しい」に設定されたドライビング・シミュレーターで自動車運転の体験をしてもらった後、運転中の疲労感の調査が行われました。

すると、被験者は、騒々しい道路を運転したときに、スピードが落ちたり、誤って車線をはみ出したりといった疲労の兆候を示すことが多くなりました。

しかし、実際に被験者が「騒々しい道路の方が疲れた」ことを示したわけではないため、この小規模な研究だけで、ロードノイズが本当に眠気を誘引する外的な要因であるのかを判断するのは難しいようです。

代わりに、2018年の研究で、新たな見解が示されました。

車の振動説

研究では、15人の被験者に、振動装置が取り付けられたドライビング・シミュレーターに座ってもらい、1秒あたり4回から7回振動した場合と静止した状態で1時間高速で運転してもらいました。

被験者には1時間後に、運転前と運転後の眠気を評価してもらい、研究者は眠気の尺度として彼らの心拍数を監視しました。

すると、振動グループは「本当に眠いと感じた」のに対して、振動のないスムーズな乗り心地を得たグループは眠気を示しませんでした。

さらに、振動グループの人々が疲労の兆候を見せ始めるのには1時間もかからず、運転を始めてからわずか15分後には、心拍数パターンによって眠気を催していることが示されたのです。

これによって研究者らは、振動がドライバーの副交感神経系を活性化していると考えました。

運転中の眠気が誘引されたときにみられる自律神経の変化

一般的に、副交感神経とは、寝ている時やリラックスした時に活発化し、呼吸や心臓の動きを遅くする自律神経です。

しかし、奇妙なことに、研究者らが実際に見た心拍数パターンは、交感神経系の活性化が兆候としてみられたのです。

交感神経は、闘争と逃走の神経とも呼ばれ、激しい活動を行ったり、緊張状態のときに活性化する自律神経のひとつなので、鎮静状態に導く副交感神経とは相反する働きをすることから、研究者らの推測とは逆の結果が示されたことになります。

そこで、研究者らは、この交感神経の活性化が、振動によってもたらされる眠気を補おうとする身体の兆候であると結論付けました。

つまり、振動によって眠気が誘引されて運転が困難になるのを補うために、交感神経が働いて集中力を高めようとしているのが、心拍数の変化という形で現れたというものです。

最後に

もしかすると将来の車には、車の振動を最小限に抑えるための衝撃吸収機能が装備されるかもしれません。

そうなると、居眠り運転の心配は減るでしょう。

しかしそれまでは、居眠り運転による事故を避けたいなら注意や対策が必要です。

運転中の睡眠をコントロールするのが難しいのであれば、無理をしないで、まずは車を安全な場所に停めてください。

短時間の仮眠をとったり、外に出て身体を動かして刺激を与えたり、大きく深呼吸をして身体中に酸素をいきわたらせたりして、眠気を覚ますのもよいでしょう。

運転中に睡眠が誘発されると、集中力や判断力が低下するため、大きな事故につながります。決して危険を冒さないでください。

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