2000万本の木を植えたら、地球にどれほどのことが起こるのか

2020年9月11日

木。それは、

熱い夏に木陰を与え、雨水を貯え(水資源)、
果物、スパイス、ナッツ類などの食料源となり、農作物の土を作る、
鳥類、リス、コアラなど地球上の3分の2以上の生物の生息地(生態系を維持)、
そして、気候変動に対して最前線で戦う兵士です。

そのような世界の森林が、2000年から5年の間には、一分間に東京ドーム約2.9個分、一年間で1290万ha(増減を差し引くと730万ha)というものすごいスピードで減少しています。

特に、台風被害や豪雨災害などによって気候変動を身近に感じる今は、森林伐採が私たち人間にこれからどれほどの影響を及ぼしていくか不安に感じている人も多いでしょう。

それなら、今から木を植え始めたら、森林伐採による影響は食い止められるのでしょうか?

具体的に、どれほどの木を植える必要があるのでしょうか?

今回は、森林伐採を憂う思考を逆転させ、何本の木を植えたら、私たちの生活や地球はどれほどよくなるのかについて、2020年までに2,000万本の木を植えることを目標に活動しているteamtrees.orgのミッションを参考に紹介していきます。

木を植えると生態系の危機を抑止できる

森林は、最も豊かな生物種の宝庫といわれ、地衣類(菌類)からミツバチ、ポッサムまで、さまざまな生物が木を住処としています。

1本の成熟した樫の木には、500種類もの生物が生息しているとさえいわれています。

そのため、森林の減少は、そのまま急速に多種類の生物を失うことに直結し、このままでは30年も経たないうちに4分の1の生物種が失われると予想されています。

私たちは、今、まさにその大量絶滅の真っ只中にいるのです。

しかし、発想を変えると、多くの生物種が、生活の場やエサ、身を守るためなど、生育地として木を必要としているのであれば、ただ「1本の木を植える」だけで、彼らに家やエサ場、繁殖地などを一度に作れることが分かります。

植える木の数を100万倍にすると、生物多様性に富んだ動物たちの大都会のできあがりです。

木は人を幸せにする

研究を重ねた結果、木立や森の中で過ごすと、人間には、心的な若返り効果があることが分かりました。

「森林浴」という言葉があるように、森林の中で過ごすと、ストレスや落ち込み、怒りを軽減しながら、平穏な気持ちになり、気分の向上にもつながります。

もちろん心的な効果だけでなく、血圧を下げ、ストレスホルモン(コルチゾールとアドレナリン)抑制などの身体的な効果もあります。

基本的に、木はあなたを幸せにしてくれるのです。

多くの科学的研究で、幸せな人ほど暴力的な犯罪が少ないことも示されています。

ほんの数本の木立でも効果はあるようなので、それが2000万本になると、定期的に森林浴ができる人の幸福度が上がり、犯罪が減る社会に貢献できる可能性があります。

木は大気の温度を下げる効果がある

木は日光を遮ったり、日陰を提供することで気温を下げてくれます。

また、葉から熱を上に反射させて、生き物を涼しく保ってくれます。

汗が蒸発する時に体が冷えるのと同じように、葉の表面から水分が蒸発することで、なおさら涼しくなるのです。

このようにして、樹木は広い範囲の大気を冷やすことができます。それは、夏の暑さでいうと、木がない地域に比べて、摂氏6度も涼しくなることがあります。

34度のうだるような暑さと、28度の夏の日の違いを考えてみてください。どれほど快適かが分かります。

樹木はまた、建物を冷やす効果があるので、エアコンの必要性を制限できます。これは、エネルギーの節約に役立つというメリットでもあります。

研究によると、戦略的に植えられた木の陰は、エアコンの冷房効率を低下させ、建物のコストを20~30%削減できます。木は、気温を下げることができる貴重な自然システムのひとつです。

考えてみてください。平均的な家庭の冷房電力代が月1万円前後で 夏の間に10本の木を植えると30%の節約になる。ということは、家の周りに2000万本の木を植えれば、6370.5万円(2020.9の換算レート)のエネルギーコストを節約できることになります。

どうですか?今すぐにでも家の周りに木を植えたくなりますね。

電気代の節約だけではなく、遮音効果も忘れてはいけません。

木の遮音効果と吸音効果

樹木は2つの方法で音を軽減するので、遮音材として使用するのに適しています。

第一に、枝葉の厚みが高周波ノイズを吸収すること(吸音)。

第二に、木は音を偏向させます。音は、硬い素材に当たると跳ね返りますが、木や葉などの柔らかい素材に当たった場合、木が振動して音を他のエネルギーに変換して小さくしてくれます。

太い幹の木立になると、15デシベルもの音を遮ることができます。それは、耳栓をしているようなものです。

木の保水力と水質改善力

樹木の根系は大雨の時に土を維持して浸食を防ぐため、それが結果として洪水や土砂崩れを防ぎ、人や建物の安全を守ります。

樹木はまた、雨水をろ過して土に自然に還し、水質も改善します。

土壌中の水分を保持するので、豪雨で一気に水が下水道に流れるのを防ぎます。これは、海に汚染物質を運ぶ雨水の量が減ることを意味します。

なんと、高さ100フィート(30.48メートル)の木1本が成長する過程で、11,000ガロン(41639.53)もの水を土壌から吸収でき、雨水を、健康的な酸素ときれいな水蒸気として放出します。

つまり、2,000万本の木なら2,200億ガロン(約8300万リットル)の水をろ過することができるということです。なんと、これはオリンピックのプール30万個以上を満たすのに十分な量なのです。

1本の木で、2人分を支える酸素を作り出す

人間は酸素を吸って二酸化炭素を吐き出しますが、樹木は光合成の際に二酸化炭素を吸収して蓄え、それを使って副産物として酸素を生成し、放出するという正反対の働きをしています。

現代社会では、余分な二酸化炭素が大気中に蓄積され、それが温室効果を強め、地球温暖化の原因となっています。

地球に木が多いほど、二酸化炭素の吸収量が多くなり、温暖化問題は緩和されます。

樹木が作り出す酸素の量は、樹木の種類、健康状態、周囲の温度など、いくつかの要因に左右されます。

しかし、一般的な計算では、1本の成熟した木が年間48ポンド(21.77kg)の二酸化炭素を吸収し、2人の人間を支えるのに十分な酸素を大気中に放出することができるとされています。

1エーカー(4046平方キロメートル)の木が年間に消費する二酸化炭素量は、平均的な自動車を26,000マイル(41,842キロ)運転するのと同じです。

具体的には、1エーカーに約300本の木がある地域に、新たに2000万本の木を植えると、年間1.7億マイル(2.7億キロメートル)以上走行する車に相当する二酸化炭素量を木が消費してくれることになります。

木は、二酸化炭素や有害物質を吸収する自然なバリア

二酸化炭素以外にも、樹木は二酸化硫黄や一酸化炭素などの有害な汚染物質を吸収します。

樹木のバリアは物理的なフィルターの役割を果たし、ほこり、花粉、煙、スモッグなどの微粒子をとらえます。

1本の成熟した木が毎年2.20ポンド(1.7キログラム)まで有害な微粒子を除去するので、2,000万本あれば4,400万ポンド(約2000万キログラム)まで除去できることになります。

それだけではありません。研究によると、風上側と比較して、木の壁がある風下側は、空気中の粉塵のレベルが75%も低くなることがわかっています。

木を植えることでもたらされる利益ははかり知れない

空気中のほこりを愛する人なんていません。

自分自身と隣人のために、いくつかの木を植え、自分自身と来たる世代のために空気をきれいにしましょう。

2019年7月のスイスの研究によると、十分な量の木を植えれば、大気中のほこりを防ぐことができ、少なくとも気候変動の軽減に影響を与えることができます。

近年の豪雨災害では、地球規模での気候変動を身近に感じた人も多いと思います。

「自分が何をしているのか」、「このままではいけない」と思っている人もいるかもしれませんが、木を植えてみるというのも大きな選択肢の一つだといえます。

電気代の節約や心身の健康など自分自身のためになるだけでなく、生物の絶滅や激減をこれ以上増やさないためにも、身近なところから行動を起こすことが求められています。