出産後の胎盤娩出と胎盤保存について

2012年4月27日

赤ちゃんを無事出産できても、出産はまだ続きます。ここでは、分娩第3期と呼ばれる「胎盤娩出(たいばんべんしゅつ)」やその後の胎盤保存についてを紹介します。

胎盤娩出について

赤ちゃんが出産できるとまずは一安心ですが、子宮の中には、妊娠中に胎児に栄養や酸素を送り続けた重要な器官「胎盤」が残っており、最後にこの胎盤を娩出するまでは終わりではありません。

なかには、胎盤が完全に娩出されずに出てこなかったり、一部が子宮内に残ることもあります(胎盤遺残:たいばんいざん)。

胎盤は、子宮の壁に付着し、約50cmのへその緒によって赤ちゃんとつながれています。

そして、赤ちゃんが生まれた後は、子宮の収縮によって出てきます。

胎盤娩出の兆候としては、まず、真っ赤な血液が出ます。これは、子宮の壁と胎盤が剥がれたことによるものです。

そして、母親は、胎盤を押し出すために、いきみに似た感覚(後産陣痛)を感じ、そのままいきむと自然と出てきます。この時、決して無理やり引っ張り出してはいけません。胎盤娩出で、母親にできることはただ待つことだけです。

この分娩第3期は、平均20分から30分かかりますが、30分たってもなかなか娩出できないようなら、トイレをするような格好で座って出したり、授乳をして促すこともあります。

胎盤娩出後は、会陰切開による傷口の縫合、尿を出すための管の設置など様々な処置が助産士や医師により素早く行われます。

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胎盤保存について

胎盤は、出産後に、そのほとんどがゴミ箱に捨てられてしまいますが、実はあらゆる分野に光をさす優れた力をもつことが分かっています。

ここでは、胎盤の活用方法について紹介します。

白血病や血液疾患の治療

胎盤の中にしかない細胞が、骨髄と同様の力を持ち、医学会で注目されています。赤血球や白血球などの血液細胞を作るための造血幹細胞です。

これは、一生のうち、出産時にしか採取できない細胞です。

胎盤から採取した細胞は、白血病や血液疾患の治療に有効で、骨髄移植よりも体の拒絶反応を起こしにくいといわれるため、子供の将来の病気への備えとして、臍帯血バンクに保管することを希望する親もいます。

実際に、胎盤保存が我が子の将来に役立ったケースもありますが、世界中で難病に苦しんでいる人へ寄付する目的で「臍帯血バンク」を利用する人もいます。

美容製品

胎盤には、美容に最適なプロテインが含まれるため、フェイスマスクや美容液、ヘアコスメなどに幅広く利用されています。

記念・文化的な行事に活用

赤ちゃんにとって胎盤は、9ヶ月間の間母親と結ばれていた唯一のものであり、生命線であるため、アメリカには、思い出に持ち帰り、文化や伝統的な行事に利用されることもあります。

なかには、いつまでも生まれた時のことを思い出せるように、この感動的な日の記憶が忘れ去られないようにと、思いをこめて家の庭に埋め、その周辺に木や植物が植えられることもあります。

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