母乳 vs 粉ミルク

2015年1月 9日

自分の子供は母乳で育てたいと願う母親はたくさんいます。

実際に、多くの小児科医師が、母乳育児を推奨しており、WHO(世界保健機構)も6ヶ月までは完全母乳育児を行い、その後も2歳までは可能な限り続けることを推奨しています。

ここでは、なぜ母乳育児がそれほどまでに注目されているのかについて、母乳と粉ミルクの栄養価の違い、赤ちゃんの病気やアレルギー、消化器官に対する影響を中心に比較して、それぞれが母子ともにもたらすメリットを、アメリカの研究結果をもとに分かりやすく紹介します。

母乳のメリット

母乳は、温度がいつも一定で清潔なため、温度管理や殺菌処理の必要が無く、与えたい時にすぐに授乳できます。

その他にも、下記のようにたくさんのメリットがあります。

アレルギーの心配がない

母乳は、人類の歴史の中で、赤ちゃんの心身の発達に最適な栄養になるように進化してきたものです。

100パーセント人間の体から作られる母乳は、乳牛から作られる粉ミルクとは違い、異種タンパクが赤ちゃんの体内に入ることによるアレルギーの心配がありません。その他のアレルギー発症の緩和にもなるといわれます。

病気のリスクを軽減する

母乳を飲んで育つ赤ちゃんは、突然死(SIDS)や幼少期の癌、白血病、若年発症糖尿病、クローン病、炎症性腸疾患、下痢性感染症、耳の感染症、ぜんそくの発症率が低くなるという研究結果があります。

免疫力を高める

母乳育児の一番のメリットは、母親の体内で作られる免疫物質を、赤ちゃんに与えられることです。一度できた抗体(免疫グロブリン)は、生涯体の中に存在し続けます。それによって、風邪やウィルスなどの感染症の発症率が低下します。

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胃腸のトラブルが起こりにくい

母乳を顕微鏡で見ると、有益なバクテリア(善玉菌など)が生きたまま存在していることが分かります。このバクテリアが、赤ちゃんの腸管内に定着すると、コリックや胃食道逆流、便秘といった消化器官のトラブルを起こしにくくなります。

また、母乳は、消化機能が未熟な赤ちゃんでも吸収しやすいような分子成分で形成され、酵素が含まれているため、粉ミルクに比べると下痢になりにくいといわれます。

脳の発達を助ける

母乳にはポリ不飽和脂肪酸と呼ばれる赤ちゃんの脳の発達を促す成分が含まれています。これは母乳にしか含まれない成分で、学習障害の発生率を下げるといわれます。

赤ちゃんが必要な栄養を効率よく摂取できる

鉄分を吸収しやすい。

母乳は、赤ちゃんが必要とする栄養素をほぼ含んでいます。唯一足りないビタミンKに関しては、乳児ビタミンK欠乏性出血症を予防するために産後と1ヶ月健診の時に病院で投与されるので心配はいりません。

母乳は、粉ミルクでも補えることができるビタミンや栄養素の他に、ホルモン物質なども含みます。

離乳食を進めやすい

母親が食べていた味が母乳に出るため、離乳食時に赤ちゃんが食品の味に馴染みやすい。

母親へのメリット

授乳行為自体が、大きなカロリー消費となるため、出産後の体重を戻す手助けになります。母乳育児をしていると、通常よりも一日に500キロカロリーから700キロカロリー多めに消費します。

また、授乳をすることは、母親のストレス軽減や血圧を安定させたり、産後抑鬱や生殖器系の病気、閉経前の乳がんや卵巣がん、骨粗しょう症のリスクが下がるという研究結果があります。また、母親が糖尿病の場合、授乳期間中は、必要とするインスリンの量が少なくなります。

経済的

母乳は無料です。粉ミルクを購入する必要がなく、家計にやさしいといえます。

粉ミルクのメリット

粉ミルクは、母乳よりもゆっくりと消化されるため、赤ちゃんの満腹感が持続し、夜によく眠ったり授乳スケジュールが安定しやすい傾向があります。

その結果、母親が睡眠不足で悩んだり、乳首が傷ついて痛い思いをすることがなくなるといった負担が軽減されます。

その他にも、公の場でも人目を気にしないで授乳しやすかったり、人に預けやすいなどのメリットがあります。