子供がいじめを受けているかもしれない時にどう対処すればよいか

2016年5月 2日

子供をいじめから守り、うまく導くためには、まず、親がいじめの兆候を認識し、しっかりと話をして現状を正確に把握しなければなりません。

それには、心を開いて話ができるように、子供との信頼関係を築くことが不可欠です。

ここでは、子供がいじめを受けている可能性があるときに、親がまずすべきことについて、年齢別にみられるいじめの兆候の表れ方や、現状を理解するために必要なことを中心に、心理学博士のJoel Haber氏によるアドバイスを紹介します。

いじめの兆候の表れ方

まず、いじめの兆候の表れ方は、年齢によって異なることを理解しておきましょう。

幼児期は特に敏感でいじめによる影響を受けやすく、言葉でうまく表現できない代わりに、おなかが痛くなったり、だるさや病気を訴えることがよくあります。

そして、小学生以降からは、友達と出かけるのを嫌がる、好きだったはずのアクティビティーに参加したがらなくなる、何も話さなくなる、機嫌が悪かったり乱暴な態度をする場合は、いじめ、または、その他のなにかがその子の身に起きている可能性があります。

いじめによる精神的なストレスが続くと、子供は体調不良になったり、うつ病を発症したりすることもあるので、子供を守るためにも、親や周囲の大人は注意して見守り、原因を探る必要があります。

男の子と女の子に見られるいじめの違いと傾向

下記に、子供がいじめられているという兆候を認識するためのひとつの手掛かりとして「男女間にみられるいじめの違い」について、子供の発育の専門家ドクターDorothy Espelageによるアドバイスを紹介します。

いじめは複雑な因果関係が絡むことが多いので一概にはいえませんが、一般的に女の子は、集団無視などの人間関係における社会性の強い攻撃がよく見られるのに対して、男の子は、単純に言葉や手を出すといった暴力的な事例が多い傾向があると信じられています。

しかし、過去の研究によると、これらは誤りであることが分かっています。

集団無視や集団での言葉による攻撃など社会性のあるいじめと、単純に言葉や暴力によるいじめは、男女とも同じ割合で起こっているため、男女に関係なく同じように重きをおいて扱うべきであると専門家は警告しています。

しかし、割合としては同じですが、女の子の社会性のあるいじめは、心理的発達において、より深刻な問題に陥りやすいと指摘する専門家もあり、特に注意が必要だといわれています。

いじめの現状を理解するために必要なこと

子供をいじめから守り、うまく導くためには、親が現状を正確に把握していかなければなりません。

親が心を開いたコミュニケーションをとるように努めると、子供は、安心して現実に何が起こっているのかを話してくれるようになります。

下記に子供の気持ちをうまく聞きだす2つのテクニックを紹介します。

子供の気持ちをうまく聞きだす2つの方法

いじめにあっているときの子供は、恐れや不安で心が緊張し、ストレスを感じている可能性があります。

大人は、子供がその原因を話すことができるようにうまく導いてあげる必要がありますが、「どうしたの?」、「なぜしたの?」と聞くだけでは、気持ちをうまく引き出すことはできません。

会話は直球勝負ばかりではなく、時には引いたり、相手の気持ちを推し量りながら進める方がスムーズにいくことがあります。

下記に、児童セラピストのDoug Green氏によるアドバイスを紹介します。

普段の会話をクッションにする方法

まず、「今日は天気がいいわね」、「アッお母さんこのテレビ好きなのよ」、「さっきつまずいて痛かったわ」など、日常の何気ない会話をクッションにして心の緊張をほぐし、話しやすい雰囲気を作ります。

もし、子供が不安定な気持ちから、乱暴な態度をとるようなら、叱るのではなく、「そんなことをしたらお母さん怖いよ」や「私は好きではないよ」と伝えたうえで、その子の身に何があったのかを、焦らずに少しずつ聞き出していきます。

遊びを通じた方法

例えば、学校で子供が大きな子にいじめられた場合、親が一緒に遊びながら、小さなブロックで大きなブロックをやっつけてしまいます。

ほんのささいなことのように感じるかもしれませんが、目の前で、小さなブロックが大きなブロックに勝った姿を見ることで、子供が感じている恐れややりきれない気持ちが和らげられて心が軽くなったり、勇気づけられることがあります。

このようにして、話しやすい雰囲気になったら、子供の身にあったできごとについて話をしてみましょう。

実は、遊びを通じた方法は、言葉と同じくらいの効果があります。

この2つの方法は、単体で取り組むこともできますが、状況に応じて両方を取り入れると、相乗効果を生み、悩みや気持ちをうまく聞きだすことができます。