乳幼児期の脳の発達にも影響する弱視について

2016年7月23日

人の視力は7歳までには完成してしまうといわれています。

そのため、乳幼児期は、視力の発達において特に重要な時期なのです。

もし、この時期に、片目が濁っていたり、近視や斜視があってはっきりと見えない状態が続くと、視力の発達が阻害されるだけでなく、脳の神経回路が目から適切に刺激を受けることができなくなるので、脳の発達にも影響してしまいます。

それが、「赤ちゃんの弱視に早めに気づけるかどうかが、その後の視力や脳の発達を大きく左右する」といわれる理由です。

ここでは、弱視や斜視、子供のメガネについて、それらが脳の発達に与える影響や弱視の早期発見方法、治療方法などを、「自立した子供の育て方/Raisinga Self-Reliant Child」の著者でもある医学博士(Alanna Levine,M.D.)によるアドバイスを中心にまとめて分かりやすく紹介します。

弱視とは

目から入った情報は、視神経を通って脳に伝わります。

弱視は、この一連の流れのどこかになんらかの支障があって片目、または、両目の視力の発達が妨げられた状態をいいます。

例えば、乳幼児期に、片目がふさがっていたり、黒目の中心の部分が濁っていたり赤い場合、また、遠視や近視、乱視や斜視が要因となってはっきりと見えず、網膜にピントが合わない状態が続くと、視力筋や目の焦点を合わせる能力など、様々な視力の発達が阻害されます。

斜視とは

新生児期は、片目、または両眼が、鼻に向かって内側に入るなど、目の動きが一定しないことがよくあります。しかし、生後4ヶ月経っても、片方の目が上下、または、左右に向いている場合は、斜視である可能性が高くなります。

斜視は、視力が悪くて両方の目で見ることができなかったり、目の筋肉や神経に異常があったりして、片目の位置がずれてしまうことです。ずれている方の目は使われていないため、視力は発達しません。

弱視が脳の発達にどのように影響するのか?

幼少期は、両目で見ることで、脳が適切な刺激を受けることができ、物の立体構造や遠近を測る能力(立体視)、見たものを処理する脳の神経回路などが発達します。

そのため、物が鮮明に見えなかったり、片目だけで見たり、ぼやけた状態が続くと、視覚情報をうまく伝えることができず、脳の発達にも影響をきたします。

特に、立体視の能力が発達するのは3歳までなので、目の異常を見つけたら早めの治療が必要だといわれています。

乳幼児期の弱視の見つけ方

目になにかしらの問題があっても、乳幼児は気付くのが難しいため、小学校への就学前検査で、初めて遠視や弱視などが見つかることは、珍しくはありません。

子供の様子を注意深く観察し、少しでも違和感を感じるようなら、子供の目の前に1本指を出して左右にゆっくりと動かし、それを目で追うかを試してみてください。

その他、よく見られる弱視の特徴を下記に紹介します。

  • 光をまぶしがる
  • 片方の目を隠すと見えない
  • 見るものに必要以上に近づく
  • よく人や物にぶつかる

もし目の異常に気づいたら、早めに医師に受診しましょう。

弱視の治療方法

弱視は、早い時期の治療がカギで、中学生になってからでは手遅れになってしまいます

視力は3歳までに急速に発達するため、弱視の治療効果が一番でやすい時期が3歳前後だといわれます。

もし、弱視の診断を受けたら、メガネや点眼(目薬)によって視力の発達を促す治療や、視力がよい目をアイパッチで隠して、悪い方の目で見る訓練などが行われます。

片方の視力が悪いだけでも、治療をしないで放置しておくと、両目の近視が進みやすくなるので注意してください。

子供のメガネについて

子供の視力や屈折度数は、変化が激しいので、定期的に眼科で検査をして、常に適切なメガネを使用しなければなりません。

特にゲームやテレビばかりを見ていると、眼球の水晶体が膨張した状態が続くため、メガネの度数が合わせにくいといわれます。そうなると、眼科医も誤診をすることがあるようなので、メガネの度が合わないようなら再検査をする必要があります。

視力の発達を促すためには、メガネは、寝る時以外はかけっぱなしにします。

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