難産時の分娩補助器(吸引分娩器と鉗子)の使われ方やリスクについて

2016年8月 5日

母親のおなかの中から赤ちゃんを急いで出す必要に迫られたり、母親の体力の消耗によって、出産時にいきむことができなくなるなど、分娩が長引いて難産になりそうな場合は、分娩補助器(吸引分娩器、鉗子:かんし)によって赤ちゃんを取り出す処置が施されます。

これは、妊婦なら誰にでも起こり得る状況で、順調だと思われていた出産でさえ、差し迫りこのような処置が必要になる場合もあります。

ここでは、出産のときに、難産になりそうな場合に行われる分娩補助器(吸引分娩器、鉗子)による医療的な処置やリスクについて分かりやすく紹介します。

吸引分娩と鉗子分娩について

吸引分娩とは、シリコンのような素材の吸引カップを胎児の頭にあてて、吸引圧をかけて胎児を引っ張り出す医療処置です。

鉗子分娩とは、胎児の頭にあうようにスプーンのようなカーブがついた金属の器具を胎児の頭に挟んで出す古典的な方法です、

どちらも、妊婦のいきみのリズムに合わせて赤ちゃんの頭を引っ張り出すという方法なので、最善の注意が払われます。

もし、吸引分娩器や鉗子を使っても、赤ちゃんを取り出せない場合は、帝王切開に切り替えられます。

赤ちゃんや母体へのリスク

吸引分娩には、赤ちゃんの頭皮に傷ができたり、頭蓋骨の内部での内出血や脳の損傷、目の出血などのリスクがありますが、それらはまれなケースであって、母子ともに比較的安全な分娩補助方法の一つだといわれます。

鉗子分娩に関しては、赤ちゃんの顔や頭に傷ができたり、母親の腟内が傷ついたりすることがあります。

もちろんこういった処置を施す場合は、妊婦に説明をして行われますが、急を要すケースでは簡単な説明で終わることが多いようです。

そのため、もし分娩補助器の使用に関して心配なこと(過去に医師が吸引分娩や鉗子を使用したことがあるか、また、そのリスクや利点、他にも方法はあるのかなど)があれば、かかりつけの医師に、出産前に確認しておくことをおすすめします。

医師が分娩補助器(吸引分娩器と鉗子)を使って、実際に赤ちゃんを取り出さす様子を人形でデモンストレーションして紹介した動画:Assisted Baby Delivery