赤ちゃんが生まれた時に備えて妊娠中から母乳を搾ってもいいのか?

2017年2月27日

多くの妊婦が、生まれてからすぐに母乳が出るようになるのか不安に感じており、「母乳育児を軌道にのせるために妊娠中から何かできることはないか?」といった質問が専門家にもよく寄せられています。

ここでは、その中でも最も多い「赤ちゃんが生まれた時に備えて、妊娠中から母乳を搾っておくと母乳がでやすくなるのではないか」という質問について、出産前後に妊婦の体内で分泌されるホルモンの変化と母乳の作られ方の仕組みにもとづいたユタ州病院の分娩看護師によるアドバイスを分かりやすく紹介します。

たしかに、母乳育児は母子ともに様々なメリットをもたらすことでよく知られていますが、妊娠中から母乳を搾ることは少しいきすぎたケアであるようです。

妊娠中に母乳を搾乳してはいけない理由

赤ちゃんが生まれる前から少しずつ母乳を搾っておくと、出産後にすぐに母乳が出始めて、母乳育児が軌道にのりやすいのではないかと期待する妊婦は少なくはありません。

しかしながら実際には、赤ちゃんが生まれる前から、母乳を搾って準備しておく必要は全くありません。

それどころか、乳房や乳首に負担がかかるような刺激を与えた場合、子宮収縮を促して、早期陣痛を引き起こすリスクを高める恐れがあります。

また、妊娠中に無理やり搾乳すると、乳首や乳房組織を傷つけてしまう可能性もあります。

もし、産後に、母乳育児をうまく軌道にのせたいなら、母乳の正しい与え方や赤ちゃんが上手に乳首をくわえられる体勢などを助産師に確認し、授乳中に痛みを感じるといったトラブルを未然に防ぐことから始めましょう。

母乳が生成され始めるまでのプロセス

妊娠中の女性の体は、母乳の生成にむけて準備中で、平均すると約450グラムから900グラムくらいの乳房組織が増えます。

これらの変化は、女性ホルモンの分泌によって引き起こされます。

そして、出産時に胎盤が摘出された後、このホルモンの分泌は全て変化していきます。妊娠中に優勢だったエストロゲンやプロゲステロンの分泌は減り、他のホルモンの分泌に移行していきます。

このホルモン変化が、体に母乳の生成の始まりを指示します。

産後のホルモン分泌と母乳の生成の関係

実際には、産後2、3日間は、ホルモンの分泌によって初乳が作られています。

その後、平均して3日から6日経過した頃から、実際の需要と供給に基づいた母乳の生成機能が働き始めます。したがって、この時期から赤ちゃんに乳首を吸わせたり、搾乳をしたりといった刺激を受ければ受けるほど、母乳は生成されるようになるわけです。

このような理由から、十分な母乳を出すには、授乳中や授乳後に母乳を搾乳する方法がよいといわれています。

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