授乳中にどうして生理が始まることがあるのか?

2017年3月 3日

一般的に母乳育児をしていると、生理が始まりにくいといわれ、産後1、2年間もの間にわたって月経がないこともあります。

ところがなかには、赤ちゃんに母乳を飲ませているにもかかわらず、早いうちから生理が始まる人もいます。

これには、母親の体内で分泌されているホルモンが大きく影響しているといわれています。

ここでは、「授乳中にどうして生理が始まることがあるのか」について考えられる理由や母親の体内で分泌されるホルモンの働きを中心にユタ州病院の分娩看護師やテネシー州の認定母乳育児コンサルタントBecky Floraさんによるアドバイスを分かりやすく紹介します。

母乳育児中は生理が始まらないといわれる理由

妊娠中は、胎盤から分泌されるホルモン(エストロゲンやプロゲステロン)が、乳房で母乳生成の準備をすすめながら、同時に母乳の分泌を抑えていました。

出産によって胎盤が母親の体内からなくなると、それまで母乳の分泌を抑制していたホルモンが減り、それに代わって母乳を生成する役割があるプロラクチンや乳管を通して分泌を促すオキシトシンといったホルモンが母親の血液中に分泌され始めます。

このホルモン変化によって、母乳が出るようになります。

これらの授乳をサポートするホルモン(プロラクチン、オキシトシン)には、排卵を抑制する働きもあるため、母乳育児中は、生理が始まりにくいといわれています。

それでは、どうして早いうちから生理が始まる人がいるのでしょうか?

母乳を飲ませていても生理が始まる理由

先に述べたように、授乳中に生理が始まらないのは、授乳をサポートするホルモンが増えるか減るかに大きく影響しています。

そのため、もし、なんらかの要因によって体全体のホルモンバランスが変化して授乳をサポートするホルモンの分泌が減ってしまうと、排卵が起きて、生理が始まることがあります。

このホルモンバランスの変化には、下記のように様々な原因が考えられます。

授乳量が減る

母乳の分泌を促すホルモンは、授乳時に赤ちゃんが乳首を吸う、または、母乳を搾乳したときに起こる刺激が脳に伝わって、母親の血中に増え始めるため、授乳回数や量が少ないと、分泌されにくくなります。

例えば、粉ミルクを足す量が多い、または、おしゃぶりの使用や離乳食の開始、乳腺炎で授乳できない、子供の年齢があがるなどの理由で授乳回数や飲む量が減ってくると分泌されにくくなります。

その結果、排卵が抑制されなくなり、生理が始まります。

赤ちゃんが夜間に長時間寝る

母乳の分泌を促すホルモンは、昼間よりも夜に多く分泌されるので、赤ちゃんが夜にまとまった量を寝るようになると、夜間の授乳の必要がなくなり、分泌が減って排卵が起きてしまうこともあります。

母親の体内変化

母親が、ストレスや服用薬などの影響によって体内のホルモンバランスが崩れると生理が始まりやすくなります。

生理が始まる時の注意点

基本的に、産後に生理が始まるのが早くても遅くても、どちらも正常なことなので安心してください。

よく生理開始後は、しばらくの間不規則になる傾向があります。もし気になる点がある場合は受診しましょう。

その他、下記に心にとどめておきたい注意点を紹介します。

妊娠する可能性がある

もちろん生理が開始すると、次の妊娠をする可能性がでてきますが、まれに、(排卵が先に起こるため)生理が始まる前に妊娠することもあります。

母乳育児は続けることができる

生理の開始は、母乳育児の終わりを意味するものではありません。

生理が開始した時に、一時的に乳房に痛みを感じたり、母乳の分泌が減ったりする場合がありますが、それはホルモンバランスの変動によるもので、ホルモンバランスが正常に戻ると、再び母乳の量は増えるので心配しなくても大丈夫です。

母乳の分泌量が減った期間は、授乳回数を増やして足りない量を補いながら対応してください。

生理が始まる時によくある胸の圧痛

乳房の痛みがある場合は、排卵時から生理3日目までの間は特にカルシウムとマグネシウムの摂取を心がけると痛みの緩和に効果的だといわれています。

ただし、どちらか一方を多くとるのではなく、どちらとも同じように摂取することが大切です。

その他の参照元:
Menstruation while Breastfeeding