料理は塩を入れるタイミングで風味や塩分摂取量が決まる!

2017年7月20日

料理をするうえで、塩は、さまざまな目的で使用されています。

塩の役割は、主に「食材の変色や脱色を防ぐ」、「殺菌(防腐)作用」、「浸透圧作用による脱水効果」、「甘みやうまみを引き立てる」、「ぬめりやあくを抜く」などがありますが、やはり最も大きな役割といえば「味付け」です。

実は、料理において、塩を加えるタイミングは、味を左右する重要な要素のひとつであり、そのタイミングによって、食材の風味や体内への塩分摂取量が大きく異なるといわれています。

あなたは今までに、ほとんどのレシピで、調理プロセスの最後ではなく、比較的早い段階で、塩を入れるように示されていることに対して疑問を感じたことはありませんか?どうやらそれには理由があるようです。

ここでは、塩を入れるタイミングが料理の風味にどのような影響を与えるのかについて、実際に、ローストキャロットやビーフシチューを作って調査した結果、科学的に分かったことをAmerica's Test Kitchenから紹介します。

塩を入れるタイミングによる料理の風味の違い

下記、2つの料理(ローストキャロットとビーフシチュー)において、塩を入れるタイミングを調理プロセスの始めと終わりで比較し、食材の風味にもたらす影響についての調査が行われました。

ローストキャロットの場合

にんじんを焼く前に、小さじ1/2杯分の塩をふってから焼いた場合と、焼きあがった後にふった場合では、全く同じ量の塩を使用したにもかかわらず、味に明らかな違いが生じます。

焼く前に塩で味付けしたにんじんは、風味が豊かであったのに対して、焼いた後に塩をふったものは、表面のみにしか味付けがされておらず、塩っ辛く感じることが分かりました。

ビーフシチューの場合

ひとつめは、料理の下ごしらえとして、最初に肉に塩(小さじ1と1/2杯)をふり、さらに、玉ねぎを炒めるときに塩をふったもの。

もう一方は、料理の最後に塩をふるだけです。

この2通りの調理プロセスを比較すると、調理前に塩をふったものは、シチューの牛肉の深層まで均等に塩が染み込んでいましたが、最後にふっただけの方は、シチューの塩気が強く出ることが分かりました。

塩が食材に浸透するのには、温度が関係している

塩は、低い温度のもとでは、食べ物にゆっくりと浸透していくことが分かっています。たとえば、七面鳥の生肉に、塩をふって冷蔵庫に入れた実験では、肉の中心まで塩が浸透するのに24時間を要しました。

科学者によると、沸点まで温度が10度上がるごとに、食材への塩の拡散率は2倍になり、さらに、野菜よりも肉の方が塩の浸透速度が速いことが分かっています。これは、肉の細胞組織には、薄い壁が一つしか含まれていないのに対して、野菜の細胞組織は2つの厚い壁に囲まれているからです。

塩を入れるタイミングで味付けに違いがでる理由

料理プロセスの始めに塩を加えた場合、食材全体に塩が浸透するための時間が得られるのに対して、最後に塩を加えただけでは、食材の表面のみに凝縮された塩分がコーティングされるため、舌に直接塩の成分が触れやすくなり、結果的に塩味が強くなります。

結論:塩を入れるのに適したタイミングとは?

料理に豊かな風味を出したいなら、調理プロセスの早い段階で塩を加えるのがベストだといえます。

仮に、下ごしらえの段階で塩をふるのを忘れてしまった場合でも、最後にまとめて塩を入れるのだけはやめてください。

もし、どうしても最後に塩を加えなければならなくなった場合は、必ず少量ずつ足す方法をとります。

ローストキャロットを例に挙げると、始めにふる塩の量が小さじ1と1/2杯であった場合、最後にふるならその8%に相当する小さじ1/8杯にとどめておく必要があります。

ビーフシチューの場合は、31パーセント(小さじ2杯に対して、小さじ1/2杯)が適しています。

その後、味が薄いようなら、好みに応じて塩を足していってください。

風味とは関係なしに、体内への塩分摂取量だけで考えると、料理の最後に塩を足した方が、摂取量は控えることができます。