クロールのパワーポジションを逃さないための秘訣

2017年10月17日

残念ながら多くの人が、クロールを泳ぐときに、パワーポジションを逃している可能性があります。

パワーポジションとは、水泳や陸上競技で、身体の動きや反応を高めて最大限の力を生み出すことができる基本的な体勢です。

実のところ、水泳においてのパワーポジションは、入水の手のタイミングや頭の位置、身体の傾きなどちょっとしたことで崩れやすいものです。そして、この姿勢の崩れによって、泳ぐときに力みが生じて、推進力を落としてしまうことも少なくはありません。

そこで、ここでは、クロールのパワーポジションを妨げる要因となりやすいいくつかの姿勢やストロークのポイントについて、その改善方法とともに分かりやすく紹介します。

手の入水が遠すぎる

クロールで、入水時の手が、動画の1分頃に登場する泳ぎ方のように前方(頭の先)に離れすぎている場合、腕を伸ばす時間が長すぎる、または、手の位置が高すぎる傾向があり、それがスピードダウンにつながってきます。

クロールのストロークにおいて、入水時の手の高さは、腕を前方に伸ばしたときに、脇のちょうど下くらいの深さに指がくるのが理想的だといわれています。

ストロークの始まりが正しく定まらないまま入水すると、キャッチとプルだけでなく、その後のストローク全てに影響を与えてしまうため、リカバリーのときから、腕を前方にどのように伸ばして入水するかは大切なポイントとなります。

そういった場合、まずは入水を少し早めるように心がけてみましょう。

改善方法「入水を少し早める」

クロールのストロークでは、肘をわずかに持ち上げるようにしてリカバリーし、指先から入水して腕を前方に伸ばします。

そして、腕を伸ばす動作の最後で、指が、脇の高さより少し下に位置するように意識しながらキャッチをしてください。

その後、指先を手首や肘より下に向けて斜めに傾けてください。

おそらくこれによって、入水の手が深くなったと感じるでしょう。この入水時の手の高さ(深さ)の違いによって、手で水をつかむ感覚が乏しくなったように感じることさえあるかもしれません。

なぜなら、それまでのように入水時の手の位置が高ければ、それだけ手の平や前腕にかかる水圧が大きくなるため、感覚的に水をつかんだような気になるかもしれませんが、実際には、手の向きが正しくないがために、それがブレーキとなってスピードを落としているのです。

クロールのキャッチでは、必ず指先を、手首や肘の位置よりも下げるように心がけてください。

体の傾きが足りない

まず、クロールの泳ぎ方を、前方から、または上から見てもらい、ストロークの入水時の体の配列を確認します。

おそらく多くの人が、動画の3分5秒頃に見られる泳ぎ方のように、体の傾きが十分ではないことに気付くでしょう。

その場合、おなかや肩で傾きを作り、正しいストロークのリズムを取ることを意識して泳いでみてください。

水泳は、少しダンスに似ています。ジャズのビートに乗った最高の演奏のように、自分の泳ぎのリズムを見つけていかなければなりません。

仮に傾きが足りないフラットなクロールであると、足や腕(キックやプル)の力に頼りすぎた泳ぎになってしまい、結果的に手足の動きの統制が取れにくくなります。

クロールを泳ぐときは、左右への体の傾きに注意してリズムよく泳ぎましょう。

頭の位置が上がりすぎている

動画の3分45秒頃には、トライアスロン選手のクロールが登場します。

一般的に、トライアスロン選手は、プールの競泳選手に比べて、前方を見ながら泳ぐ傾向が強いため、さらに頭を下げる必要があります。

頭をわずかに下げるだけで、レースで大きな変化が起こることもよくあるようです。

頭を正しい位置にキープすることは、背中のそり(アーチ)を防ぎ、姿勢の改善にもつながります。

泳ぐときの背中は、アーチ状に反らないで、まっすぐ平行に保たなければなりません。もし、背中の反りに気付いたら、目線が前すぎていないかを見直して、首を平らに伸ばしてください。

ストロークが横に広がりすぎている

動画の4分37秒で見られるクロールは、左側の手と腕の動きがストロークのプルのときに、外側に開いているのが分かります。

これは、非常によく見られる間違いのひとつで、プルのときに、肩の横を通る手が肘よりも外側に開いてしまうと、肩甲骨や広背筋(脇の下から背中に向けて逆三角形の背中を作る筋肉)といった肩の周りにある大きくてパワフルな筋肉を効率よく使えなくなり、体を前方へ引きだす力が弱くなります。

クロールでは、肩甲骨や広背筋を使って、体を前方に押し出すことを意識しなければなりません。

それには、プルのときの手と腕を外側ではなく、体の下に維持しなければなりません。これは、ストロークやボディラインを調節するうえで、大切なポイントとなります。