クロールのスピードアップのためには、ハイエルボーしすぎない、体を傾けすぎない方がよい理由

2017年12月15日

クロールのストロークでは、体を傾けながらハイエルボーを行うのが基本だといわれています。

確かに、体の傾きなしにクロールを泳ぐと、ストロークのたびに体が左右に揺れてバランスが崩れやすくなります。

しかし、かといって、ハイエルボーを意識しすぎたり、体を傾けすぎたりすると、逆に推進力を妨げる要因にもなってしまうので注意しなければなりません。

ここでは、クロールを速く効率的に泳ぐためのストロークの改善方法について、主に体の傾きとハイエルボーをやりすぎたときの問題点に焦点をあてて紹介します。

ハイエルボーすぎるストロークのデメリット

まず、動画の40秒くらいに登場するクロールを見てください。

息継ぎをするときの、腕と頭をもとの位置に戻すタイミングはよいのですが、リカバリーの腕が非常に高く、肘や手が、かなり体の近い位置を通っていることが分かります。

確かに、イアン・ソープ(オリンピックの金メダリスト)のようなトップスイマーたちのなかには、ストロークの親指がおへそにあたるくらいまで体に近い位置をかいている人はいます。

しかし、肩の柔軟性やテクニックが不十分なままで、ハイエルボーが高すぎた場合、この動画のスイマーのように、肩の関節や筋肉がピンと張って、負担がかかりすぎてしまうことから、肩を損傷する危険性が十分に考えられます。

ハイエルボーの改善点

リカバリーの腕を、もう少し外側に開いた方がよいでしょう。

このスイミングクラブでは、リカバリーの腕を戻すときは、腕が少しくらい外側に開いてもよいので、自然な動きができる幅でと教えています。

体が傾き過ぎるクロールのデメリットと改善点

イアンソープのクロールのように、体の軸をぶらさないで、体の傾きをコントロールしながら、手を体の近くで移動させ、肩を使って前腕を中心に水をかく「プル」の動きはまさに理想的です。

しかし、肩があまりやわらかくない大人の場合は特に、プルの手を、体の近くに通すことを意識しすぎない方が、腕の動きがより自然に行えることが多くあります。

また、そういった人が、プルの手を体に近づけすぎた場合、体を回転しすぎる可能性も十分に考えられます。そうなると、クロールのバランスを崩すだけでなく、頭が水中に沈み、水中にある側の肩も深く沈み過ぎてしまうため、最も推進力を発揮するパワーポジションを得ることは難しいでしょう。

リカバリーから入水への手の動きのポイント

3分8秒くらいの泳ぎは、リカバリーの腕が垂れ下がるように前方に戻るのではなく、外側から前に投げ出すような形になって、入水の手が肩幅よりも少し外側に広がっているため、キャッチが十分にできていないという問題があります。

そして、そのまままっすぐにプルをして、押し出すときの手は、ただ水をなでるようにさっと外に出ているだけなので、水があまりつかめていません。

入水時には、肩の動きを意識して、体の一直線上に手を入れて、そのまま肩のラインに合わせて前方へ伸ばすことが改善のポイントです。

例を挙げるなら、両肩を電車の線路だとイメージし、入水から前方に腕を伸ばすところまでの手の動きを、肩(線路)のラインに沿って行うとよいでしょう。

そして、息継ぎのときに、体を傾けすぎないように注意してください。

最適な体の傾きの角度

動画の4分30秒の泳ぎは、ほぼ60度近い角度まで体を傾けていますが、実際に求められるのは、肩で40度から45度くらいの体を傾きを作ることで、これによって、バランスをコントロールし続けることができます。

これによって、少し腕のふりが外側に広がるかもしれませんが、ストロークによりパワーが生まれます。

最後に、泳ぎのパワーは、最適なリズムとタイミング、自然で快適な水中での動きのなかで生まれます。