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「電流 vs 電圧」どのくらいの電流が私たちには危険なのか

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ドアノブに触れた瞬間、静電気による電気ショックを受けることはよくあります。

ありがたいことに、この種のショックは些細な不便にすぎませんが、感電はとても危険であり、場合によっては致命的ですらあります。

では、私たちは、どれくらいの電流まで耐えられるのでしょうか?そもそも、その基準はあるのでしょうか?

以下に、電流 vs 電圧について、どのくらいの電流が私たちには危険なのかを見ていきましょう。

電流や電圧とは何か?

回路を流れる電流量は、アンペア(A)で測定され、2点間の電位差はボルト(V)で測定されます。

そして、そこに電流の流れに対する電気回路の抵抗もあると、それはオーム(Ω)で測定されます。

これを全体として見るには、パイプを通る水の流れのように考えてください。

水圧はボルトで表される電圧であり、水量はアンペアで測定されるアンペア数です。オームで測定される抵抗は、パイプの内側が水の流れに与える摩擦に少し似ています。

オームの法則

電気には、電気に関連することを学ぶと必ず出くわす「オームの法則」と呼ばれる基本的な法則があります。

この法則は、回路を流れる電圧と電流の関係を定義しています。

数学的には、電圧は電流と抵抗の積に等しい(V = I × R(電圧 = 電流 × 抵抗))と述べています。

つまり、電気回路に流れる電流量は、電圧に比例するということです。

簡単に言えば、アンペア数が多いほどボルト数が多いということです。

危険な電圧量

世界的に認識されている危険のマークが刻印された電気基板や発電機に警告メッセージが表示されているのを見たことがあるかもしれません。

この記号につけ加えて、通常は実際に動作する電圧範囲が強調されることがよくあります。

これらの警告は、電流源との保護されていない直接の物理的接触が致命的な可能性があることを示しています。

では、多くの警告標識が示すように、人間にとって致命的となる可能性がある特定の電圧のしきい値はどのようなものなのでしょうか。

実は、ここには心理的に考えておくべき単純な仕組みが隠れています。

人に直接的な影響を与えるのは「電流量」

10,000ボルトは100ボルトよりも致命的であるように思われますが、これは真実ではありません。

なぜならわずか110ボルト、または230ボルトで動作する家電製品によって感電死することもあるからです。

実際、わずか42ボルトの直流電流を使用する電気器具による感電死の事例すらあります。

これが、ショックの重症度の実際の物差しが、電圧ではなく、電流の量、または体に強制的に流れるアンペアの数にある理由です。

より多くの電圧がより多くの電力を消費するのは事実ですが、実際に人を死に至らしめるのは、体に強制的に供給されるアンペアの数です。

たとえば、10ミリアンペアを超える電流は深刻なショックを引き起こす可能性がありますが、100から200ミリアンペアの範囲の電流はかなりの痛みを伴い、致命的になる可能性さえあります。

200ミリアンペアを超える電流は重度のやけどや意識喪失を引き起こす可能性がありますが、すぐに医療援助が提供されれば、被害者は救われる可能性があります。

200ミリアンペアを超える電流が人の体を通過すると、筋肉の収縮が激しくなり、ショック時に心臓が強制的に締め付けられます。

こうなると、被害者の心臓を再起動して生存の可能性を高める唯一の方法は、直ちに医師の診察を受けることです。

アンペア vs ボルト

さて、これはアンペアの数だけがあなたに危険で、電圧には何の役割もないという意味ではありません。

電圧(2点間にある電位の差)も抵抗もなければ、電流は流れません

電流が流れるためには、2点間に電圧がなければなりません。2点間にある電位の差(電圧)による電子を動かす力が必要だからです。

そして、その電子の流れ(電流)を妨げる抵抗がないと電流は一瞬にして増大し、無限に流れ続けることになり、これは実質的に不可能なことで、結果的に電流は流れません。

つまり、電流が流れるには、電圧その電子の流れを妨げる抵抗も回路に必要とされます。

高圧送電線に留まっている鳥が感電死しないのもそのためです。

電流が流れるための条件

感電 に関して「危険なのは電圧ではなく、電流だ」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。

確かに、影響を引き起こすのは電流ですが、電流は、他の特定のものが整っている場合にのみ流れ、危険になります。

実際には、体に致命的な打撃を与えるのは、電流のボルト、アンペア、周波数、持続時間の組み合わせです。

電流だけが危険なのでは、ドアノブを触ったときのような静電気ショックですら致命的となります。

しかし、そうではありませんね。

電流は電圧によってのみ体内に押し込むことができます

そしてこれは、特定の周波数で十分長い時間押し込まれた場合にのみ致命的となる可能性があります。

皮膚の状態も重要な役割を果たします。

電流の流れに対する体の抵抗は、濡れた皮膚の1000オームから乾燥した皮膚の500,000オーム以上まで変化する可能性があるためです。

つまり、皮膚が濡れていると、抵抗が低いためにより多くの電流が流れてしまうので、感電の重症度が高くなることを意味します。

さらに、身体の実際の抵抗は部位によっても異なります。

たとえば、手から足までの内部抵抗はほぼ 500 オームですが、耳の間ではわずか100オームだといわれています。

そのため、より多くの電流が耳の間を流れる可能性があり、その領域は電流によって 負傷しやすくなります。

簡単に言うと、体内を流れる電流の数は、感電という厄介な経験のほんの一面にすぎません。

ボルト、アンペア、周波数、持続時間、他にも無視できない 要因がたくさんあります。したがって、電気ショックによるリスクを減らすには、積極的に電気を伝導するものとの直接的な物理的接触を避けることが最善策だと言えるでしょうです。

電気はかなり奇妙で、潜在的に残酷な存在です。

注意して扱うと、全世界に便利な電力を供給しますが、わずかな過失でも大惨事につながる可能性があることを心にとどめておきましょう。

電流の仕組みについては、以下の動画で見ることができます。

Current Vs Voltage: How Much Current Can Kill You?