橋はなぜ強いのか?車や電車が通っても大丈夫な理由

2021年3月15日

小さい頃に、ブロック遊びに夢中になって砦やお城を作った経験はありませんか。

実は、私たちが住んでいる都市や街は、幼い頃作ったそのミニチュア模型と同じルールで作られています。

ただし、本物はそれよりもずっと大きく、たくさんの人やモノが乗ってもたえる強さをもっています。

そして、その強さの秘密はある「形」に隠されています。

今回は、私たちの周りの建築物を支える形「三角形」の強さの秘密について紹介します。

橋は重たい物に耐える強さがいる

川や深い谷のような大きな障害物を越えて道路や線路を作らなければならない場合、エンジニアと呼ばれる専門家がその仕事のために橋を設計、建設することがあります。

そうしてエンジニアによって作られた橋は、しばしば人や乗り物で混雑します。

例えば、世界で最も交通量が多い橋といわれるニューヨークのジョージ・ワシントン・ブリッジ。

毎日たくさんの車やトラックがひしめきあうため、橋はかなり頑丈でなければなりません。

一般的に、重量物を支える必要のある橋は、鉄や鋼などの特殊な素材を使って作られています。

しかし、丈夫な橋を作るのに必要なのは、丈夫な素材だけではありません。

それでは、橋の仕組みを見てみましょう。

重さがかかりすぎると橋は壊れる

非常にシンプルな橋の一つに、ビーム橋(きょう)と呼ばれる梁橋があります。

単純といっても、本当に単純な橋で、小川を渡るときに使う丸太橋のようなものです。まさに子供の頃にブロックで作ったあの橋です。

どの橋もある程度の重さに耐えられますが、もし梁橋に重さをかけすぎるとどうなるのでしょうか?それを見てみましょう。

崩れてしまいますね。

そのため、非常に重いトラックや車を運ぶ橋は、軽い自転車や徒歩の人を運ぶ橋よりも強くなければなりません。

では、どうすればより強い橋を作ることができるのでしょうか?

橋の強さを生む形

長い年月をかけて、人々は特定の形状がより強い橋を作るのに有効であることを学びました。

たとえば、電車を運ぶ鉄橋。重量のある電車が通るには、橋は壊れずに丈夫でなければなりません。

どんな形をしていると思いますか?

そうです、三角形です。これは偶然ではありません。

実は、三角形は建築物としてとても強い形なのです。

たしかに、三角形の一辺に力を加えるとその辺はぐにゃりと曲がって三角形の形が変わってしまいます。

しかし、三角形の点に力を加えると、その形を保つことができます。

四角形は、押されると平行四辺形のように変形してしまいますが、三角形という形は、それに比べて変形しにくい強い構造をもっているのです。

まず、三角形の点に力が加わった場合、両サイドの2つの辺が力で押し下げられ(上から押す力)、底辺が両サイドに伸びよう(引っ張り力)とします。それぞれの辺は力を感じますが、どの辺も曲がらないので、三角形はとても頑丈で安定した形になるのです。

橋の上のデッキと呼ばれる上の部分と下の部分にたくさんの三角形があるのはこのためです。

三角形は変形しにくい

三角形が列になって横にたくさんつなぎ合わさった橋に、トラス橋と呼ばれるものがあります。

橋を電車が通るとき、電車の重量によって、まっすぐな辺のつながった部分「点(三角形の角)」にはいろいろな力が集まります。

トラス橋の三角は、この力を分散させるのに役立ちます。三角形の集合でできた立体的な形は、どの方向から押されても、簡単には崩れない高い強度をもちます。

四角形にしても五角形にしても、一般的な多角形は三角形の集まりと考えられます。このことから、三角形は、橋や建物を立てるときの強さの計算に使われているのです。

東京タワーやスカイツリーもよく見ると三角形が積み上げられてできた集合体です。その他にも、三角形を利用したトラス構造は、ドームの屋根や長い橋などさまざまな大きな建築物にも使われています。

力のつりあいで支える「吊り橋」

しかし、すべての橋がトラスでできているわけではありません。

もし、橋が非常に広い水域を横断しなければならない場合、トラス橋を作るのは難しすぎたり、費用がかかりすぎたりします。

そこでエンジニアは、吊り橋と呼ばれる別の種類の橋を設計しました。

カリフォルニア州のゴールデン・ゲート・ブリッジは、吊り橋の代表的な例です。

吊り橋は、「張力」と呼ばれる力を利用しています。

張力とは、何かを強く引っ張る力です。

吊り橋は、橋の片側から反対側に伸びる太いケーブルに、デッキが吊り下げられています。

このケーブルは、中間地点に建てられた高い塔に支えられており、両端を岸にしっかりと固定しています。

吊り橋が強いのは、橋にかかる力が分散されるからです。

車や電車、馬など、橋を渡る人の体重(押す力)がケーブルを引っ張り、張力(引っ張る力)を発生させます。

そのケーブルが高い塔を下向きに引っ張り、力が伝わって橋の両端にあるアンカーがを引っ張られ、さまざまな向きの力につり合いが生まれることでデッキを支えるのです。

巧妙な橋の例を挙げればきりがありませんが、基本的に橋が強いのは、強い素材でできているからだけではなく、エンジニアが夢見て計画した賢いデザインのおかげでもあるのです。