答えは「密度」です。
密度とは、単位体積あたりに存在する質量の値です。
この密度の違いによって、太平洋と大西洋の境目には「紺色と緑色の海の境界線」のようなものができ、なかなか混ざり合うことができないわけですが、以下にその仕組みを分かりやすく紹介します。
太平洋と大西洋の境目
世界の海洋は名前で分けられていますが、実際には海流によって海の水は混ざり合っています。
しかし、ある海の境界線のようなものを境に、それぞれ特徴の異なる光景が見られるのも事実です。
例えば、太平洋と大西洋には、まるでお互いの海が混ざり合うことを嫌がっているかのように、濃く澄んだ藍色の海と濁った緑色の海の境目のようなものが見られます。
これは、太平洋と大西洋の合流点、南米沖のでよく見られる光景です。
一体そこでは何が起こっているのでしょうか?
塩分濃度の差
海の塩分濃度(水に含まれる塩分の割合)は、世界の各地域の温度や降水量、水深や地形、淡水の流入量などによってばらつきがあります。
大西洋の海水表面は塩分を多く含むため、密度が高くなります。
一方、太平洋の海は塩分が少ないため、密度が低くなっています。
この塩分濃度による密度の差が、2つの海の間に「塩分躍層(えんぶんやくそう)」と呼ばれるバリアのようなものを作り出します。
時間が経てばいずれは混ざり合うかもしれませんが、海流の向きも異なることが、それを困難にしています。さらに、水温の違いの問題もあります。
その結果、太平洋と大西洋は、簡単には混ざり合うことができないのです。