「密度」が思ったよりも簡単に分かるようになる実験です。今回は、水と油と砂糖水を使って身近な液体・固体の密度比べを簡単に行う方法を紹介します。
さて、水と油、シロップ(砂糖水)ではどれが一番密度が大きいと思いますか?
答えは、シロップなんです。
なんだか難しくて、密度っていまいちイメージがわきにくいよう
では、箱とビー玉で考えてみましょう。
密度が大きいを簡単にいうと、箱(同じ体積の容器)にビー玉(粒子)がぎっしり詰まっている状態(ビー玉同士の距離が近い)。
逆に、中身がすかすかで詰まっていない状態(ビー玉が離れて配置されている)を密度が小さいといいます。
つまり、シロップは同じ箱(体積)にビー玉が一番ぎっしりと詰まって、(体積あたりの質量が)水や油よりも重いことになるんだ。
これを確認できるのが以下の実験方法です。どの家にもあるもので簡単に密度の世界を体験できるうえ、固体でも液体でも形や大きさに関係なく密度を比べることができるのでぜひやってみてください。
密度の実験で用意するもの
グラス
油
水
シロップ
食用色素(フードカラー)
油、水、シロップで密度の大きさを比べる実験方法
空のグラスの1/3の高さまで水を入れ、食用色素(フードカラー)を少し入れて水に色をつけます。
次にシロップ(砂糖水)、またはトリークル(糖蜜)を1/3入れます。
最後にグラスを食用油で満たし、約15分間置おきます。
実験結果
これらの3つの液体はそれぞれに密度が異なり、お互いに混ざり合わないため、異なる層をつくって分離します。
シロップは密度が最も大きいので底に位置し、密度が最も小さい油が上昇することが分かります。
密度の大きさの順番は、シロップ>水>油という実験結果になりました。
では、他の物でも密度を比べてみましょう。
液体と固体で密度の大きさを比べる実験
いろいろな物を実際に3層に分かれたグラスに入れると水や油、シロップよりも密度が大きいか小さいかなどが分かります。
ここでは、入れる前に、予想してから結果と比較してみてくださいね。
グラスに入れたとたんに、一番底に沈みました。
油と水には沈み、シロップの上で止まっています。シロップよりも密度は小さく、油や水よりも大きいようです。
油には沈みましたが、水の上で止まりました。
油の上に浮いています。油の方がスポンジより密度が大きいのです。
今回の実験では、液体でも固体でも、形や大きさにも関係なく密度の大きさの違いを比べることができることが分かりました。
では、そもそも密度とは何なのでしょうか?
密度とは
たとえば、東京と北海道の人口密度をくらべた場合、密度が高い東京には1km2あたり6000人以上の人が住んでいるのに対して、北海道は70人くらいしか住んでいないため、東京の方が密度が高いことになります。
電車でいうと、1両に入る人数が多いほど密度が高くぎゅうぎゅうになり、少ないほど密度は低くガラガラになります。
1m3の金とゴムで密度を考えてみましょう。
密度の大きな金はぎゅうぎゅうに物質がつまっているので19トン以上の重さになりますが、金より密度の小さいゴムは1トン弱。
つまり、同じ1m3あたりどれだけ物質がぎゅうぎゅうにつまっているかを密度によって知ることができるのです。
なるほど、液体と固体、気体の質量を比べたり、形や大きさの違う質量を比べたりするときに密度は便利なんだね
密度のまとめ
今回の実験では、グラスに液体や固体など、さまざまな物質を落として、どの流体がより密度が高いかを確認する方法が分かりました。
さらに、懐中電灯でそれぞれの層に光を当ててみてください。もっとおもしろい発見がありますよ。
密度が高くなれば、それだけ光の通り道への邪魔が増えるので、光がまっすぐに進むことができなくなるのです。
実験の様子を動画で見る:Denser Than You Think – Science Experiment