「分厚い脂肪で寒さは本当に防げるのか」実験方法

クジラ体験・脂肪の役割を知る実験方法動物・植物・生き物

「脂肪で寒さは本当に防げるのか?」を調べるために、身近にある脂肪に似たようなもので実際にクジラの体温管理(保温)機能を体験する方法を紹介します。

以前、「ホッキョクグマやペンギンはどうやって体温を維持しているのか?」でも紹介しましたが、恒温動物のホッキョククジラは特別な適応能力によって極寒の海でも問題なく体温を保って生きています。

脂肪」とよばれる存在のおかげです。

脂肪は、皮膚のすぐ下にある特別な層で、体温を逃がさず、寒さから身を守るのに役立ちます。

アザラシをはじめ、クジラ、セイウチなどの動物は全て脂肪を持っていて地球上で最も冷たい水の中でもこの適応能力のおかげで生きていけるのです。

私たちも脂肪で暖まることはできるの?

クジラのような体験がしてみたいなぁ。

クジラの体験。なんだかおもしろそうですね。

もちろん私たちは、アザラシでもセイウチでもないので手近に分厚い脂肪はありませんが、脂肪のようなもので実験する方法はあります。

さっそく以下に紹介しましょう。

「脂肪で寒さを防げるか」実験

それでは、クジラやセイウチの脂肪に似たものを身近で探して実験してみましょう。

ショートニングって知っていますか?

ショートニングとは、食用油脂としても知られる脂の一種で、スーパーやネットなどでも販売されています。

以下に、ショートニングを使って、氷水につけた手が体温を保てるかかどうか確認する方法を紹介します。

実験の材料と方法

片手はそのままで、もう片方の手にショートニングをつけて、両手を氷水につける実験です。

材料

  • 氷水で満たした大きなボウル2つ
  • 手が入る大きさのビニール袋1つ
  • ビニール手袋1枚
  • ショートニング
  • 大きなスプーン
  • タオル

やり方

脂肪の役割を調べる実験方法

ビニール袋に手全体を覆える量のショートニングをたっぷり入れます。

手に薄いビニール手袋(無ければビニール袋を手にかぶせる)をはめて先ほどの袋にその手をつっこみ、ショートニングで袋ごと手の周り全体を覆います。

もう片方の手はむき出しのままにして、両手を同時に氷水の中に入れてみましょう。

実験結果

結果は、ショートニングで覆われた手より素手の方が断然冷たく感じます。

ショートニングが、クジラの脂肪のように作用して、冷たい水と手の間に断熱層を作り、その層が私の手の熱を手袋の中に閉じ込めて、体温が逃げるのを防いでくれたのです。

これは動物が冷たい水の中で泳ぐときに、実際に脂肪の層が体温を体内に留めて、氷水の冷たさから守るのとよく似ています。

人間の脂肪の役割

クジラには到底およびませんが、人間にも皮下脂肪はあります。

クジラと同じように、脂肪は、外の温度と体内の臓器の間を遮断して、体内温度を一定に保つ役割をするほか、細胞膜を構成する成分のひとつでもあり、エネルギーの貯蔵やホルモンやレプチンなどの伝達物質の生成・分泌など、私たちの身体を守るさまざまな役割をになっています。

私たちは嫌いがちですが、脂肪は、人間にもなくてはならない重要な存在なのですね。

今回は、クジラの気分を体験できるおもしろい実験方法を紹介しました。これからも、身近なもので科学的な体験ができる素材をたくさん見つけて紹介できたらと思います。

参照元:Fun With Blubber!

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