アリはどうやってエサを見つけるのか?

アリはどうやってエサを探しているの?動物・植物・生き物

みなさんは「小さなアリが、はるか遠くにあるエサをどうやって見つけるのか」を不思議に思ったことはありませんか?

アリは、人間よりずっと優れた嗅覚をもつ「触覚」でエサを探し、「フェロモン」と呼ばれる道しるべによって仲間にエサの場所を教え、時には体重の50倍もの重さのエサでも仲間と力を合わせて運ぶことができます。

ここでは、アリがどのようにして食べ物を見つけ、迷わずに巣まで持ち帰ったり、仲間を呼んで協力しながら運んだりするのかについて、アリの興味深い触覚の役割や超怪力ともいえるパワーの秘密とともに分かりやすく紹介します。

アリは集団生活を営む社会的な昆虫

アリは、仲間と一緒にせっせとエサを運んでは、土の中の「蟻塚(ありづか)」と呼ばれる家(巣)に集めています。

「蟻塚(アリの巣)」は、たくさんの道に分かれた複雑な構造をしています。

巣の中でアリ達は、女王アリを中心に、巣作りや子育て、エサ集め、巣のそうじや護衛など、それぞれに役割を分担して共同生活を送っています。

女王アリの役割は、なんといっても卵を生むことです。ひたすら卵を産み続けます。そして、巣の中には、女王アリの世話をするオスアリがいます。

その他のアリは、はたらきアリと呼ばれ、全てメスです。

女王アリを中心に、無数のはたらきアリがエサを見つけては運ぶ様子を見ていると、アリの祖先がスズメバチであることも納得させられます。

(余談ですが、アリはアリでもシロアリの祖先はゴキブリです。)

巣の中にトンネルを作ったり、蟻塚を守ったり、ときには敵と戦ったりしながら、女王アリやその他のアリ達のために食べ物を探してはせっせと集めています。はたらきアリの仕事はとても大変です。

しかし、幸運なことに、はたらきアリ達は大量の食べ物を集めるための特別な能力「嗅覚」を備えているのです。

優れった嗅覚をもつアリの触覚

はたらきアリは、エサを探しに外に出たときに、優れた嗅覚を利用して食べ物を見つけ出します。

嗅覚といっても、私たち人間のように鼻があるわけではありません。

優れた嗅覚をもつアリの触角

人間の鼻よりもずっと優れた「触角」と呼ばれる2本の高度な嗅覚センサーの棒が頭にあり、人間にはかぎ分けられないような臭いのもとを探し当てていきます。そして、においのもとに近づいたら、目で確認しながら食べ物にたどりつきます。

アリの目は小さな目がたくさん集まってできた「複眼」で、主に暗い巣の中で生活しているために、視力はあまりよくありません

食べ物の味やにおい、敵や味方の識別、また、仲間にエサや巣の場所を教えるときのコミュニケーションなども嗅覚に頼っています

アリの触角の役割

ほとんどのアリは雑食性の生き物で、植物や肉などなんでも食べることができますが、そのなかでも特に大好物なのが砂糖です。

食べ物は、それぞれに臭いが全て異なりますが、アリはその臭いによって、食べられるものかどうかをかぎわけることができるといわれています。

触覚はアリにとって重要な部位のひとつで、内部には、感知した情報を脳に伝達する細胞があり、エサを探すだけでなく、アリ同士が敵と味方を区別したり、巣に帰るための道しるべにも使用されます。

私が落としたお菓子にもどんどんアリが集まってたよ。

においでどうやって仲間にエサの場所を教えているの?

アリはね、おいしそうな食べ物を見つけたら「フェロモン」と呼ばれる匂いの分泌物をおなかの端から出しながら巣に戻るのよ。仲間は、その匂いをたどるとエサにたどりつけるというわけ。

この匂いの道しるべは、1匹ではすぐに消えてしまいますが、エサにたどりついた仲間が、次々と同じようにフェロモンを出すことで、アリの大行列ができて強い匂いの道が生まれます。

研究では、エサの量が多いと、フェロモンを分泌するアリが増えるので匂いは強くなり、エサがなくなるにつれて、匂いも無くなっていくことも分かってきました。

そして、さらに驚くべきは、アリのパワーです。

アリは力持ち

実は、アリは、超力持ちなのです。

小さな体をしたアリが、自分よりも大きなエサを運ぶことも多く、最大で体重の50倍もの重さのものを運ぶことさえあります。

人間でいうと、歩きながら車を運ぶのに相当する重さです。

力持ちのアリでも運ぶことができない大きなエサはどうするの?

仲間のアリは、先ほどの「フェロモンの道しるべ」をたどって、食べ物が運べずに困っているアリを見つけ出すことができます。

このようにして、一人では運べない食べ物があったとしても、仲間と協力して運ぶことができるのです。それはときに、小さなアリが、クッキー一枚分を運べるほどの驚きの力を生みます。

アリの行動と生態まとめ

いかがでしたか?

1匹のアリが、フェロモンと呼ばれる道しるべを使って仲間と力を合わせてエサを運ぶことからも、アリが社会的な昆虫であることがよく分かります。

このようにして、小さなアリは、発達させた嗅覚を巧みに使ってコミュニケーションをとりながら、地球上の個体数ランキングの上位を占めるほど栄えてきたようです。

参照元:How Do Ants Find Food? | Animal Science for Kids

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