なぜ塩分は植物を枯らすのか?

塩で植物が枯れる理由キッズサイエンス

植木や観葉植物は、海水をかけたり、土壌に海の砂を使ったりすると生育できません。

仮に、植物に塩をかけてしまうと枯れてしまうのです。

それは、浸透圧によるものです。

では、実際に植物に塩をかけたときに、どのように浸透圧が働くのかについて、芝生に塩をまいた場合を例に以下にみていきましょう。

浸透圧とは

浸透とは、水分子の濃度が高い領域(うすい液)から低い領域(濃い液)への水分子の拡散または移動のことです。
浸透圧とは、この濃度の差によって、水分子(溶媒)が半透膜(境目)を通って移動しようとする圧力です。
半透膜とは、水に溶け込んだ分子は通れないけれど、水分子は通ることができるというように、溶液中の一定の大きさ以下の分子だけを通す膜のこと。

浸透圧の働きで草が枯れる理由

通常、浸透圧は日常的には起こりません。

なぜなら、植物は、蒸散というプロセスを通じて、細胞内の水分濃度と細胞外の水分濃度を同じに保っているからです。

しかし、草に塩をまぶすと、草の外側では、塩分濃度が高くなり、水分濃度が低くなります。

すると、濃度の差によって水分子が移動しようとする圧力(浸透圧)が生じ、植物の内部にあった水分子は、外部に流れ出してしまうのです。

その結果、ほとんどの水分が浸透圧によって外に流出してしまうと、草は垂れ下がり、やがて枯れてしまいます。

実は、はちみつが腐りにくいのも、死海では生物が生きられないのも、112mの高木が乾期で生きられるのも、淡水魚が水分補給をする必要がないのもこの浸透圧が関係しているのです。

参照元:osmosis

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