クモって何者?

クモは昆虫ではない!興味深い生態に迫るキッズサイエンス

クモは昆虫の一種だと思っている人がいますが、実は違います。

昆虫ではなく「クモ類」と呼ばれる全く別の生き物で、ダニやサソリなどのグループに入ります。

今回は、クモの優れたジャンプ力や視力、何種類もの糸を使い分けるという驚きの能力について紹介します。

クモが少し怖いという人もいるかもしれませんが、クモのもつ能力や生態を知るときっとイメージが変わるでしょう。

クモの巣は、とてもきれいな芸術品ですし、クモは蚊やブヨ、ハエなどの小さな虫をたくさん食べるという大切な仕事をしています。もしクモがいなかったら、私たちはもっとたくさんの厄介な昆虫に悩まされています。

さらに、クモは何百という管からさまざまな種類の糸を用途に応じて使い分けるという驚くべき能力がある他、ハエトリグモのように獲物の動きから生物か無生物かを認識したり、命綱を使ってジャンプをする種もあります。

クモは昆虫ではない「クモ類」

昆虫は6本あしで、頭部と胸部、腹部の3つの主要な部位からなります。

そして飛ぶためのはねや周囲を感じ取るための触角もあります。

しかし、クモは多くの点でそれらの昆虫と異なっています。

腹部はありますが、頭部と胸部を持つ代わりに、頭胸部(とうきょうぶ)と呼ばれる2つを1つにした部分を持ち、体はその前(頭胸部)後ろ(腹部2つの部位からなります。

そして、いつも8本の脚(あし)を持っていて、はねや触覚(しょっかく)がないこともクモを見つけるヒントになります。

クモの目の特徴

クモの目は複眼ではない

クモのもつ面白い生態のひとつが、昆虫とは違う種の目を持っていること。

昆虫は複眼と呼ばれるとても複雑な目を持っています。何千もの小さなレンズが組み合わさって一緒に働き、昆虫は見ることができるのです。

一方、クモの目は私たちと同じようにレンズが1枚だけのシンプルな目をもちます。実はヒトとクモは共通するところがあるんですね。

しかし、クモの写真を近くで見たことがあれば、クモはヒトとは違い、2つ以上の目があることに気づくかもしれません。

ほとんどのクモは8つの目を持っていて、そのうちの1つに以下で紹介するハエトリグモと呼ばれるクモがいます。

視力とジャンプ力に優れたハエトリグモ

ハエトリグモは、クモの世界では一番の視力を持ちます。8つの目で体の周りをほぼ死角なく360度見ることができるのです。

さらに、ハエトリグモは他にも優れた能力を持っています。

なんと自分の体の50倍もの距離をジャンプすることができるのです。

それはあなたが、一回のジャンプで車12台を飛び越えるようなもの。

さらに、このクモはとても注意深いクモで、いつもお腹の端から出す「しおり糸」と呼ばれる糸の切れ端を、跳ぶときに貼り付けています。

この糸が命綱になって、万が一失敗しても落ちないようになっているのです。

賢いクモですね。

しかし、ハエトリグモは、他の多くのクモがするようなことはしません。

巣を張らないのです。

巣を張って獲物を待ち構えるのではなく、獲物を探し回り、見つけたらジャンプしてとびついて捕獲します。

生物学の月刊科学ジャーナル「PLOS Biology」によると、このような習性をもつハエトリグモの目は、獲物の動きのパターンをみて生物か無生物かを見分けていることも分かってきました。(PLOS BiologyJuly 15, 2021)

美しい巣をつくるコガネグモ

クモの糸いぼ

次に、この辺りで一番美しい巣を作るコガネグモと呼ばれるクモをみてみましょう。

コガネグモは、英語でorb weaverと呼ばれますが、このorbは丸いという意味です。

その名の通り、きれいな円形の巣をつくります。

クモは、巣を作るために、たんぱく質からなる液を使って糸を紡ぎ、お腹の先にある「糸いぼ」と呼ばれる突起から出しています。

ほとんどのクモはこの糸いぼを6つ持っていて、その周囲にある何百という小さな突起(出糸管)を使って太さや粘着性、強度の異なる様々な種類の糸を紡ぐのです。

クモは用途によって糸を使い分け、獲物をつかまえたりぐるぐるまきにしたりするときには粘り気のある糸、巣の上を歩くときは足に巣がひっつかない糸を、そして、巣の輪郭には強度の高い糸をというように巧みに操っているのです。

クモの糸について詳しくは下記を参照ください。

参照元:Don’t Be Afraid of Spiders!