マリアナ海溝には一体何があるのか?

マリアナ海峡で見つかったおどろくべきもの動物・植物・生き物

マリアナ海溝は地球上で最も深く、光もなく、ジャンボジェット機48機分が重くのしかかるほどの圧力がある地点。

しかし、そんな極限の環境で、生き延びる術を見つけてきた生物がいます。

かなり奇妙な生命体です。アルミニウムの盾を持つ甲殻類、海溝で最も恐ろしい捕食者、半透明で幽霊のように泳ぐクサウオ科、そして、触手で這う豚のようなナマコの一種もそうです。

しかし、深海で最も驚くべきものはプラスチックです。

そうです、地球上の最深部でも人間の汚染から逃れることはできないのです。

以下に、マリアナ海溝には何があるのか、その興味深い世界を紹介します。

過酷な環境で生きる生命体

マリアナ海溝は、地球上で最も深い場所です。

とても深いので、もしエベレストを中に落としたとしても、その頂上は水中1キロメートル以上下のところにあるのです。

2014年12月の計測では水面下10,983m(wikipedia 参照)

あまりの深さに光も届きません。

そこには、ジャンボジェット機48機分の重さに匹敵する重さがかかっています。

しかし、どういうわけか、生命は生きていくための道を見つけることができます。

この過酷な環境に適応したとても奇妙な生命体たちです。

「海の底は、なめらかな灰緑色の堆積物が広がっています」

そう話すのは、地球上で最も深い海淵へ、世界初単独有人海底探査に成功したディープシーチャレンジャーミッションで、責任者をつとめたダグラス・バートレット氏

もしあなたが食べ物をそこに投げ込んだら、地球上で最も奇妙な生き物が暗闇からぞくぞくと集まってくることでしょう。

アルミニウムの盾を持つ甲殻類

例えば「カイコウオオソコエビ」。

海底に沈殿した植物のを食べて生きていると考えられています。

甲殻類の目の一つ「端脚類(たんきゃくるい)」です。

端脚類は、海洋では通常2、3cmくらいの大きさですが、深海では30cm近く、アメリカンフットボールほどの大きさになる個体もいます。

ロブスターのように、これらの動物は 炭酸カルシウムで出来た硬い外骨格を持っています 。

通常、1万メートル以上の深海では 見る事ができないものです。

なぜなら4,500mを超えると、圧力が非常に高くなり、温度はかなり低くなり、炭酸カルシウムが溶けてしまうからです。

しかし、この端脚類には秘密兵器があります。

「シールド(外部からの影響を遮断する盾)」です。

なんと、海底にあるアルミニウムを使って体内で合成した「アルミニウム(アルミゲル)でできた装甲」で体が覆われているのです。

実はその殻は、深海に潜む何かに対する彼らの最大の防御となっています。

幽霊のような恐ろしいクサウオ科魚類

深海で発見された「マリアナスネイルフィッシュ(Mariana
fish)」と呼ばれる、透明度がきわめて高いぶよぶよの体をしたクサウオ科の魚類。

見た目は弱そうですが、深海の海溝付近では、捕食者の頂点だと考えられています。

マリアナスネイルフィッシュは、これまで発見された中で最も深い8178メートルの深海で観測されたことがあります。

この魚には不思議な点がたくさんあります。

骨はほとんどが軟骨からなるため柔軟で、これが高い圧力に耐えるのに役立っていると科学者は考えています。

暗いところでは視力の意味がないため、目は見えていません。

皮膚は表面がゼラチン質で覆われた半透明なので、内臓まで見ることができます。

繰り返しますが、彼らは海溝の主要な捕食者の1つでもあります。

その証拠に、マリアナスネイルフィッシュのお腹に端脚類らしきものが写っている恐ろしいX線画像が残されています。おそらくディナーの後に撮影されたのでしょう。

世界最大の単細胞生物

バートレット氏は、深海にはさらに奇妙な「クセノフィオフォラ」もいるといいます。

巨大なアメーバのような単細胞の原生動物です。

体長約10cmで、単細胞生物としては地球上で最大級。

海の豚「センジュナマコ」

海溝には他にも、「sea pig(海の豚)」と呼ばれるセンジュナマコもいます。
ずんぐりと太った体で、触手のような脚で海底を這う、小さくて透明なナマコです。

マリアナ海溝の最も驚くべきものの正体「プラスチック」

しかし、マリアナ海溝で発見できる最も驚くべきものは、おそらくこれでしょう。プラスチックです。

1998年、遠隔操作の潜水艇が深海でビニール袋を検出しました。なんと10,898メートルの地点です。

2019年には、探検家がさらに下層でプラスチックの破片の痕跡を報告しています。

さらに、研究者はディープシーチャレンジャーで端脚類の胃の中にマイクロプラスチックを発見しました。

彼らはこれを 「マイクロプラスチック摂取の最も深い記録」と呼んでいます。

これは、この地球上で最も遠い場所、たった4人しか訪れたことのない場所でさえ、私たちが世界に与える大きな影響の痕跡があることを示しています。

参照元:What’s Inside The Mariana Trench?

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