もし雲が永遠になくなったら世界はどうなるのか?

雲の役割とは地球温暖化

雲は常に地球の表面の約70%を覆っています。

しかし、もし次の瞬間、パッと全ての雲が消えてしまったらどうなると思いますか?

実は、これはただの架空の話ではありません。現実に私たちの地球は温暖化によってすでに雲を失いつつあるといわれています。

雲がなくなると、ハリケーンや竜巻も起こらないし、飛行機の遅延も星空観賞の延期もなくなるからいいことでしょう?

残念ながら、地球に雲がなければ恐ろしい世界になってしまうのよ。

さっそく以下に恐ろしい新世界についてみていきましょう。雲の役割を知るうえでもこの「地球から雲がなくなるとどうなるのか」はとても役立つ知識となりますよ。

地球から雲がなくなるとどうなるのか?

砂漠でハイキングをしている人は、地球から雲が失われたことにはすぐには気づけないかもしれません。

しかし、数日後には、最初の警告サインである「湿度」の変化が現れます。

大気中の湿度が上がる

砂漠の湿度がかなり高くなるのです。

海辺に住んでいる人は、もっとひどい状況になるでしょう。

通常、太陽の熱は、海から水分を蒸発させて、その水蒸気は雲に凝縮されます。

しかし、地球の水循環から雲が切り離されると、その水蒸気は空気中に居座り続けるため、100%近い湿度を生み出すことになります。

大気中に不均衡な上昇気流が生まれる

もしあなたが飛行機に乗っているなら、いつもよりひどい揺れを経験するでしょう。

雲は、日傘のように地球を覆い、太陽光を宇宙に跳ね返すバリアの役割もしています。

その雲が無くなると、太陽はさらに地球を熱し始め、それが上昇気流を生じさせて、不均一な熱風を生み出すことになります。

水資源がなくなる

さらに問題なのは、雨や雪を生み出す雲がなくなり、薄霧さえもなくなると、湖、小川、川、泉、帯水層などといった水源がなくなり、水を確保する手段がなくなることです。

つまり、昨年の冬の雪が溶けてしまうと、私たちに残された水は、手持ちの水のみ。

そして、時間は刻一刻と過ぎていきます。

このままのペースで水を消費し続けると、約23年ですべての淡水の湖や川が枯渇してしまいます。

つまり、淡水を守るためには、人類は戦略的に行動しなければならないのです。

現在、平均的なアメリカ人は約360〜450リットルの水を毎日使用しています。

しかし、節約するためには、長時間のシャワーや洗濯を省くだけでは不十分でしょう。

私たちが家庭や公共の場で使う水は、水の総使用量の21%にすぎないからです。

実は、水の2大需要は、熱電発電(34%)と農地の灌漑用水(42%)なのです。

特に核燃料で動く発電所の場合は、冷却のために大量の水を必要とし、冷却塔の水が枯渇すると大変なことになる可能性があります。

現に、2011年の福島原発事故の主な要因は、地震で原子炉の冷却システムが停止したことでした。

また、雨が降らなければ、農場はさらに多くの水を必要とすることになるでしょう。

動植物の命が奪われる

このような永久的な干ばつは、土地が乾燥するにつれて、大量の野生動物や植物の命を奪うことになります。

数年のうちに、土壌の侵食によって、1930年代に頻繁に発生したダストボウル(乾ききった土壌が巨大な砂嵐を発生させて土壌を消失させる)のような自然災害が起こるかもしれません。

一方、雲のない地球の気候はどんどんおかしくなっていきます。

気温が22度上昇する

雲の専門家であるクリス・フェアオール氏による計算では、雲がなければ、地表の平均気温は22℃も上昇するそうです。

雲は、雨を発達させますが、落ちてくる雨が大気中で蒸発することでも周囲の空気は冷やされています。

この冷たくて重い空気が冷気塊といわれるもので、温暖化がすすむ大気では大型の冷気塊が少なくなっていると考えられているのです。

また、大気中の赤外線を吸収し、再び放出する性質のある二酸化炭素が増えると太陽熱で暖められた赤外線の多くが、宇宙に向けて放出されずに、熱として大気中に蓄積されるでしょう。

これらを要因とした極端な気温上昇は、ほとんどの動植物の生息地を破壊し、干ばつを生き延びたものを皆殺しにするだけでなく、極地の氷冠を溶かして、沿岸の都市に大規模な洪水・浸水被害を引き起こすかもしれません。

さらに、沿岸部から内陸に追いやられた世界の40%の人々にとっての新天地は、天国とはほど遠いものに。

内陸部が砂漠化するのも時間の問題で、乾燥した土壌には海水が浸入し、新鮮で貴重な地下水を汚染していきます。

水の供給源が少なくなるにつれて、私たちは厳しい選択を迫られることになっていきます。

雲はすでに失われつつある

現実に、私たちはすでに雲を失いつつあるといわれています。

かつてないほどの二酸化炭素の増加、海や大気の温暖化が、雲を薄くする原因となっているのです。

温暖化の進行した大気では、熱帯域で雲の組織化が弱まり大きな積乱雲群が発達しにくくなることもわかっています。

熱帯域の雲は、地球規模での大気の流れを引き起こすエネルギー源としての役割を担っているため、この大気の流れが弱まることは大きな問題なのです。

たしかに人間は創造的なので、このような状況において、海水を淡水化する方法や空気中の水蒸気を集める方法を考案してある程度は対処できるかもしれません。

しかし、結論をいうと、温室効果ガスの排出を減らし、この恐ろしい新世界を完全に回避することが最善策かもしれないのです。

参照元:What If All The Clouds Disappeared Forever