みなさん、柱につかまってください。
地球が5秒間、自転を停止します。
地球は、一日に1回、赤道付近で時速1,670km近いスピードで自転しています。
そのおかげで昼と夜があるわけですが、実は、この自転をたった5秒間だけやめてしまうだけで、暴風が吹き荒れ、津波が襲い、地球のほとんど全てが破壊されてしまうでしょう。
以下に、地球の自転が急停止し、5秒後に再び自転し始めるときに、何が起きるのかについてみていきましょう。
地球の自転とは
地球が自転しているのは、46億年前に惑星が形成されたときに起こった衝突のせいだと考えられています。
ガスと塵の巨大な円盤が太陽の周りを渦巻くとき、塵や岩石の粒が集まり、惑星を一方向に回転させる力が発生。
フィギュアスケーターがどんどん回転していくようなもので、宇宙では、惑星を減速させる力がほとんどないため、地球は回転し続けています。
そしてこれからも何十億年もの間、地球は自転を続けるでしょう。
しかし、もしこのような地球が急停止したら、一体私たちはどうなってしまうのでしょうか?
時速1000km以上の風がほとんど全てを破壊
普段、地球が猛スピードで自転しているのを感じられないのは、私たちの周りにある大気も同じように猛スピードで動いているからです。
そして、地球が突然自転しなくなったとしても、これらの大気はまだ動いています。
つまり、すべてが急停止しても、強力な風は吹き続けるということです。
そうなると、赤道付近で時速1,670kmの風が吹き付けることになりますが、地球の急ブレーキによる風は、その3倍は強くなることもあります。
この風は地殻を引き裂くのに十分な強さです。
あなたが野原にいようと、鉄筋の建物の中にいようと関係ありません。
この風はあなたや車を遠くまで吹き飛ばし、コンクリート構造物をも引き裂くでしょう。
しかし、地球から姿を消すほどではありません。
脱出速度、つまり地球の引力から逃れて宇宙空間に入るために必要な速度は、時速約40,000キロです。
世界の緯度が違えば、たとえばニュージーランドやフランスでは風はもう少し弱く、時速1,180キロくらいになりますが、これでもどんな嵐よりもはるかに強く、あらゆるものを破壊する力はあります。
そして、残念ながらこの5秒間という短時間に気をつけなければならない危険は、風だけではありません。
大津波が発生
私たちの惑星は完全な球体ではありません。
自転によって発生する遠心力によって赤道付近が膨らんでいるのです。
もし自転が止まれば、地球はすぐに完全な球体に変化するでしょう。
そうなると、赤道付近の水はすべて極地に向かって流れ出し、大津波が発生する可能性があります。
そして、5秒後に自転が一気に元に戻ることで、その水は逆流し始めます。
嵐のようなとんでもない水の壁が、なんと2度にわたってあらゆるものにぶつかるのです。
地球に安全な場所はあるのか?
このシナリオで安全なのは、北極か南極の近くだけかもしれません。
ここなら風は最も穏やかになります。
しかし、たった5秒間で地球は大きく姿を変え、建物、農地、そしてテクノロジーでさえ跡形もなく破壊され、ほとんど何も残らないでしょう。
地球上のすべての人とは言わないまでも、数十億の人々が巨大な突風に叩きつけられ、力尽きるでしょう。
幸いなことに、今後数十億年の間に地球が停止することはないと予想されています。
どうやら、自転が止まるよりも、太陽が燃え尽きて赤色巨星になってしまう時期の方が早く訪れそうです。