私たちは、地球の表面にいるだけで、私たちの上に乗った膨大な量の空気の重さ(圧力)を背負っています。
海面では、大気圧は1気圧(約14.7psi)です。
これは、大気が体の1平方センチメートルあたり1kgの力を及ぼしていることを意味します。1m²では1万kgです。
それは本当に巨大な力です。
では、なぜこれほどの圧力を感じることはないのでしょうか?
これらの体内の空気が、大気圧に等しい圧力を大気に及ぼすため、気圧は相殺されます。
身体の内から外に向けて大気圧と同じ力で空気を押し返しているから、大気圧につぶされることはないのです。
以下に、私たちが大気圧に押しつぶされない理由について大気圧の仕組みをもとに分かりやすく紹介します。
大気圧とは
地球は約500kmにおよぶ空気の層に囲まれていることがわかっています。
そして、地球の重力は、常にこの大気を中心に引き寄せています。
このため、大気は地球の表面だけでなく、その表面に存在するすべての物体にも常に圧力をかけ続けているのです。
この圧力(大気の重さ)は「大気圧」と呼ばれます。
飛行機の着陸時にボトルがつぶれる理由
一般に、地表にあるペットボトル内の大気圧は、地球表面上の気圧と等しい状態です。
飛行機に乗ったとき、上空では大気圧が地球の表面に比べて低くなります。
このような時、上空で、ボトルを開け、機内で水を飲むと、ボトル内の大気圧は低くなります。
飛行機内にある低圧の空気が、ボトル内であなたが今飲んだ水の場所に置き換わったからです。
しかし、飛行機が着陸し、飛行機から出ると、ボトルの外側に圧力がかかります。
なぜなら、地球表面の大気圧はボトル内のに閉じ込められた上空の圧力に比べて高いため、外気圧が、内側からよりも強い力でボトルの表面を押しつぶすのです。
では、なぜ人間は、大気圧に押しつぶされないのでしょうか?
それは、体内の状態を一定に維持するために、気圧の変化に対応して内圧を調節しようと働くからです。
大気圧と体内の気圧のバランス
では、もし周囲の大気圧が低下すると、私たちの体はどうなってしまうのでしょうか?
そのままでは、内圧の方が高くなり、体は膨れ上がって破裂してしまいます。
そこで、私たちの体は内外の気圧のバランスを取るために働き始めます。
たとえば、外からの大気圧が低下すると、耳の内側と外側の圧力バランスを等しくするために、体内の空気を外に出そうとします。
逆に、外の大気圧が上昇すると、体内の空気圧を増やして耳の内外の圧力バランスを等しくするために、外気を取り入れようとします。
飛行機が離着陸すると耳がツーンとしたように感じるのは、この体内外への空気の動きがあるからです。