息を止めると体はどうなるの?

2016年11月18日

実は、私たちは、一日に約19000回も呼吸を行っています。

生命を維持するには、呼吸が必要不可欠であることは、誰もが知っていることですが、もし、息を止めた場合、身体はどのような状態になるのでしょうか?

驚いたことに、普通に息を止めるのと、水中に潜って息を止めるのでは、身体は異なる変化を起こすことが分かっています。

ここでは、息を止めた時に身体に何が起こり、どのような状態になるのかについて科学的に紹介します。

息を止めた時に身体に起こる変化

私たちは、呼吸によって、細胞活動に必要な酸素を取り入れて、体にエネルギーを供給しています。その工程で、細胞は二酸化炭素を出し、それは呼吸によって体外に排出されます。

もし、(水中以外で)息を止めた場合、体内に二酸化炭素が蓄積していき、脳が酸素が必要だと感知しているにもかかわらず、酸素を得ることができない状態が続くと、身体に様々な変化が起こり始めます。

まずは、肺が焼けたように感じます。

それから、時間の経過にともなって、横隔膜や助骨(あばら骨)周辺の筋肉が苦痛でけいれんを起こし、立ちくらみがします。

そして、意識を失うほどの時間、息をとめた場合は、呼吸や血圧を調節している自律神経系が、再度呼吸をするようにせかします。

水中で息を止めた場合

水中では、呼吸によって体内に取り入れられる酸素量が少なくなると、ほ乳類の潜水反射と呼ばれる生理的な反応が起こります。

まず、生命を維持するうえで最も大切な臓器(心臓や脳など)に酸素を確保するために、心拍数を落として、手足などの末端への血流を制限します。

深刻な低酸素症のダメージに備えて、酸素の消費量を減らすために、体が省エネモードになるわけです。

米国生理学会(APS)で発表された論文によると、おそらく全てのほ乳類や脊椎動物は、これと同様の潜水反射を持っています。

これらのほ乳類の潜水反射は、水に直面した場合のみ引き起こされ、この反射作用によって、人は水中で長い時間息をとめておくことができます。

フリーダイビングの世界記録保持者Aleix Segura Vendrell氏は、息を吸って酸素を肺いっぱい取り入れた後、24分間という素潜りの記録を出しました。

息を止めることによるリスクはあるのか?

ダイバーのように何度も繰り返して息を止めることによる後遺症については、現在の科学では明らかにされていません。

臨床神経心理学者が行ったダイバーの研究によると、神経障害は見られなかったようですが、米国生理学会による別の研究では、脳に損傷を与えるほどのプロテインS値の上昇が見られました。

しかし、これらは少数のデータから得た情報であり、これからより多くの研究が必要だといわれています。