オレンジ色の宇宙服は、「アドバンスド・クルー・エスケープ・スーツ(俗名:パンプキン・スーツ)」と呼ばれるものです。
宇宙飛行士は、打ち上げと帰還(再突入)時にこのオレンジ色の宇宙服を、そして、船外活動用には白色を着用します。
そして、それぞれの色が選ばれたのには理由があります。
以下に、なぜ宇宙服がオレンジ色や白色をしているのかについて分かりやすく紹介します。
オレンジ色の宇宙服の役割
宇宙服がオレンジ色なのは、打ち上げや帰還(再突入)時に何らかの不具合があった場合に、宇宙飛行士がスペースシャトルを放棄しなければならないからです。
この特別な色合いは、どんな風景に対しても最も目立つ色です。
特に青い空や海、暗い緑色などの自然を背景にしたときに目立ち、視界に入りやすい色であるため、救助隊が宇宙飛行士を見つけやすいといわれています。
白い宇宙服の役割
さて、白い宇宙服は、船外活動用の服として知られています。
宇宙飛行士がスペースシャトルの外に出て作業をするときに着用する服です。
これが白色なのは2つの理由があります。
まず、宇宙空間では、宇宙飛行士は太陽の猛烈な熱や紫外線にさらされます。
そして、白は他のどの色よりも光を反射しやすく、熱を吸収しにくい色なのです。
これらの宇宙服は、宇宙飛行士を熱から守り、身体があたたまりすぎるのを防ぐ効果があります。
第二に、白は宇宙飛行士を見つけやすい色です。
黒く広がる宇宙空間で、白色は目立つため、宇宙飛行士を見つけやすくなるのです。
宇宙服は、上記のような「色」の他、身体を冷やしたり、酸素を送り込んだり、二酸化炭素や窒素を排出したり、気圧をコントロールしたり、電子機器を備えたものなど、それだけでまさに小型の宇宙船といえる重要な役割を果たしています。